2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイを応用したヒト顎関節滑膜細胞の病態遺伝子の解析
Project/Area Number |
14571915
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (10152448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 浩一 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80246917)
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Keywords | 顎関節 / ヒト顎関節滑膜細胞 / GeneChip解析 / interleukin-1β / Pathway解析 |
Research Abstract |
近年、顎関節内視鏡やMRI技術の進歩により顎関節腔内の病的状態を把握することが可能となったが、分子生物学的研究は進んでいない。一方、ゲノム科学の進展に伴い、DNAマイクロアレイ法が開発され、一度に多数の遺伝子発現を検索することが可能となった。本研究では、培養ヒト顎関節滑膜細胞の炎症性サイトカインIL-1βによる遺伝子発現変動を、Affymetrix GeneChipを用いて検索した。本学倫理委員会の指針に従い、顎関節内障患者5名から顎関節滑膜組織を採取した。Out growth法にて得た培養ヒト顎関節滑膜細胞にIL-1βを作用させた後、total RNAを抽出した。in vitro transcriptionにより増幅したビオチン標識cRNAをGeneChip HG Focus Arrayにhybridizeし、約8,500遺伝子について発現解析を行った。滑膜細胞5例において無刺激の細胞とIL-1β刺激細胞での遺伝子発現についてanova解析を行ったところ、有意な差が認められた遺伝子は170遺伝子であった。このうちIL-1β刺激でup-regulateした遺伝子は139遺伝子、down-regulateした遺伝子は31遺伝子であった。この170遺伝子のOntology分類では、enzyme、signal transducerに分類された遺伝子が多かった。また、この170遺伝子をIngenuity Pathway Analysisを用いてパスウェイ解析を行ったところ、NFκBを中心としたpathwayが得られた。IL-1β刺激によりNFκBが活性化され、炎症性サイトカインや基質分解酵素の転写がさらに促進されることが示唆された。以上の結果から、GeneChipは病態関連遺伝子の検索に大変有用であること、IL-1βは顎関節部の炎症の進行に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)