2002 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌細胞への正常p53遺伝子導入によるテロメラーゼ活性抑制の治療学的意義
Project/Area Number |
14571920
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
笹倉 裕一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80121002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 代志子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70288075)
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Keywords | テロメラーゼ / hTERT / p53 |
Research Abstract |
1.頭頚部扁平上皮癌(以下,HNSCCと略す)細胞のcharacterization 1)分析対象細胞は教室で維持培養している臨床経過の明らかな頭頚部扁平上皮癌樹立細胞株であり,p53遺伝子変異の検討について行った. 上記樹立HNSCC細胞はPCR-SSCP法によりp53遺伝子変異を確認し,direct sequencing法にてExon 5,6,7,8(codon 126-306)についてその変異をdetectした.その結果,樹立HNSCC細胞9種類のうち6種類にp53点突然変異が見られ,それぞれExon 5が2株,6が2株,7が3株であった(一株はExon 6,7に点突然変異を認めた).p53に点突然変異を認めた細胞株のうち,HNSCC 2はExon 6,codon 196CGA(Arg)→TGA(Stop),codon 199GGA(Gly)→GTA(Val),HNSCC4はExon 7 codon 244GGC(Gly)→GTC(Val),HNSCC 5はExon 7,codon 258GAA(Glu)→TAA(Stop),HNSCC 6はcodon 152(Pro)→CCCG挿入,HNSCC 7はExon 6 codon 199GGA(Gly)→GTA(Val),Exon 7 codon 237ATG(Met)→TTG(Leu),HNSCC 8ではExon 5 codon 151CCC(Pro)→TCC(Ser),158CGC(Leu)の変化が見られた. 2.正常p53遺伝子のHNSCC細胞への導入および導入後の細胞のcharacterization 1)正常p53遺伝子導入 Transfectionにはリポフェクチン法を用い、まず代表としてHNSCC2の細胞株を使用し,これにp53-p-tetO7-CMV-LのベクターとpCMV-tetR-KRAB-hyg,ネオマイシン耐性遺伝子を導入した.この操作後ネオマイシンでセレクションをかけ、まずRT-PCRで導入し,その確認は単一クローン化する前と後に行った. その結果,p53導入が為された細胞において,cloneの増殖が不可能であり細胞死を迎えた.おそらくこの現象はp53導入により腫瘍細胞のapoptosisが惹起され,細胞死に至ったものと考えられる.しかしながら,文献によれば,p53遺伝子を導入しても細胞死に至らない扁平上皮癌細胞由来の細胞株が存在するので,これを見いだすべく導入標的細胞をスクリーニング中である.
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