2002 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギ顎関節円板切除後の同種保存腱移植に関する実験的研究
Project/Area Number |
14571927
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
小木 信美 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90211127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 勇 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (50340154)
後藤 達之 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (60340155)
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Keywords | 顎関節 / 関節円板 / 腱 / 中間挿入物 / ウサギ |
Research Abstract |
ウサギを静脈麻酔により全身麻酔下に置きキシロカインの局所麻酔を併用して顎関節円板の切除を行い、中間挿入物を移植しないコントロール群(5匹)とした。術後の経過は良好であり、局所創部の感染は認められなかった。術後4か月で過量の麻酔薬によって屠殺し、病理組織切片を作製した。摂食状態は良好であり、体重(平均値±標準偏差)は術前3.2±0.16kg、術後3.8±0.12kgと増加していた。開口域(平均値±標準偏差)は術前26.3±0.74mm、術後24.2±0.82mmと減少していたが、下顎正中の偏位は認めなかった。病理組織所見では下顎頭軟骨に亀裂や変形といった退行性変化があり、滑走面直下の軟骨層に細胞数の減少や細胞配列の乱れが認められた。 実験群には、関節円板の代わりとなる中間挿入物としてマイナス80℃のディープフリーザー内で1ヶ月間保存した他家ウサギの膝蓋腱を2種類の方法で処理したものを用意した。腱の処理方法は室温で0.6%グルタールアルデヒド溶液中に腱を1週間浸漬する方法と37℃で4%エポキシをナトリウム重炭酸塩でpH10.5に緩衝した溶液中に6日間浸漬したことによった。ウサギを全身麻酔下に置き局所麻酔を併用し関節円板を切除した顎関節内に用意した保存腱を周囲軟組織と縫合し移植した。術後の経過は良好であり、局所創部の感染は認められなかった。グルタールアルデヒド処理した腱を移植した群(5匹)では、術後4か月で屠殺し、病理組織切片を作製中である。エポキシ処理した腱を移植した群(5匹)では、未だ術後4か月経過していない。 グルタールアルデヒド処理した腱を移植した群(5匹)では、体重(平均値±標準偏差)は術前3.2±0.19kg、術後3.7±0.32kgと増加し、開口域(平均値±標準偏差)は術前25.4±0.10mm、術後26.0±0.31mmと増加しており、下顎正中の偏位も認めなかった。
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