2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギ顎関節円板切除後の同種保存腱移植に関する実験的研究
Project/Area Number |
14571927
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Research Institution | Aichi-Gakuin University |
Principal Investigator |
小木 信美 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90211127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下郷 和雄 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00158966)
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40133483)
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Keywords | 顎関節 / 関節円板 / 腱 / 中間挿入物 / ウサギ |
Research Abstract |
関節円板を切除した後の顎関節の病的変化をより少なくするために、関節円板の切除後に中間挿入物を移植する実験を行った。関節円板を切除したウサギをコントロール群(5匹)として、実験群では関節円板の切除後に他家ウサギの膝蓋腱をマイナス80℃のディープフリーザー内で1ヶ月間保存した後に2種類の処理を施したもの(各群5匹)を移植し、12週後にウサギを屠殺した。腱の処理方法は、室温で0.6%グルタールアルデヒド溶液に7日間浸漬したものと37℃で4%エポキシをナトリウム重炭酸塩でpH10.5に調整した溶液中に6日間浸漬したものとを移植に供した。ウサギを屠殺後、顎関節を一塊として摘出しEDTA溶液中で脱灰した後、通法に従い病理組織切片を作製しHE染色を施した。 病理組織所見で、コントロール群の関節円板を切除した群では、下顎頭および側頭骨の滑走面軟骨は表面が凹凸不整であり、軟骨細胞の配列の乱れが認められた。また、軟骨自体の厚みも減少していた。 グルタールアルデヒドで処理した腱を移植した群では、下顎頭および側頭骨の滑走面軟骨の表面は比較的平滑であったが、軟骨細胞に配列の乱れがあり、軟骨の厚みも減少していた。 エポキシで処理した腱を移植した群では、下顎頭および側頭骨の滑走面軟骨は表層が平滑であった。軟骨細胞の配列の乱れも部分的であり、軟骨の厚みは一定に保たれていた。 コントロール群と実験群とを比較すると、関節円板切除群において最も軟骨の退行性変化が大きく、その次にグルタールアルデヒドで処理した腱の群で軟骨は表面が平滑であるものの内部に変化が認められ、エポキシで処理した腱の群での変化が最も少ない結果であった。
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