2003 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症患者におけるストレス因子の検討(唾液中chromogranin Aについて)
Project/Area Number |
14571930
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Research Institution | OSAKA DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
有家 巧 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70184281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
覚道 健治 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30131379)
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Keywords | 顎関節症 / ストレス因子 / 唾液 |
Research Abstract |
本研究では顎関節症患者におけるストレスの影響を解明すべく,精神的ストレスを与えた際のchromogranin A (CgA)の変動様相を健常ボランティアのものと比較検討した. 対象:本研究の目的および方法を説明し,同意の得られたボランティア6名(男性3名,女性3名,平均年齢27.3歳)および日本顎関節学会の症型分類ができた顎関節症患者8名(男性2名,女性6名,平均年齢43.0)である. 実験方法:暗算法による精神的負荷を10分間与えた.負荷前,負荷中および負荷後の唾液を5分間隔で採取し,唾液CgAを測定した.安静時ならびに負荷後CgA値上昇ピーク時における顎関節症患者群と対照群間の統計学的検定をMann-Whitney's U testを用い,また負荷中の唾液タンパク1mg中のCgAモル数変動様相をKruskal-Wallis testを用い危険率5%と設定し行なった.なお,健常者群と顎関節症患者群間の唾液中CgA値上昇ピークまでの時間の比較をKaplan-Meier (Product-Limit) methodを用い行なった. 結果:唾液タンパク1mg中のCgAモル数を測定したところ,安静時では顎関節症群で3.441±1.750pmol,対照群で0.955±1.217pmolと有意差(p=0.0424)を認めたものの,負荷後CgA値上昇ピーク時には,顎関節症群で5.129±3.088pmol,対照群で5.765±7.646pmolと有為差(p=0.3798)を認めなかった.一方,負荷中の唾液タンパク1mg中のCgAモル数の経時的変化は,顎関節症群でp=0.9085,対照群でp=0.2656とそれぞれ有意差を認めなかったものの,顎関節症群では負荷後3分に,対照群では負荷後8分にCgAモル数ピークを認め,唾液中CgA値上昇ピークまでの時間が顎関節症群では短くなる傾向がみられた.
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