2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の発癌過程におけるテロメラーゼ活性の役割と各種癌遺伝子との関連
Project/Area Number |
14571931
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
大関 悟 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80117077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 正資 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40320337)
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Keywords | 口腔癌 / telomerase / carinogenesis / TERT |
Research Abstract |
平成16年度までの研究ではhamster舌のDMBA誘発癌におけるテロメラーゼ活性とTERT mRNA発現の関係について検討を行った。平成17年度では、hamster舌のin vivo発癌実験を行い、Sp1の発現、及びそのTERTの転写調節機構への関与について検討を行った。 【方法】 3週令のゴールデンハムスターの舌に9.10.ジメチル1.2.ベンツアントラセン(DMBA)を塗布し、塗布開始3ヶ月後から5ヶ月後まで、1ヶ月ごとに屠殺を行い舌を採取した。採取した組織は病理組織学的所見により上皮過形成群、上皮異形成群、扁平上皮癌群に分類、TRAP法によりテロメラーゼ活性を検出、RT-PCR法にてTERT,及びSp1 mRNAの検出を行い、発現率を調べるとともに各群間での発現レベルを統計学的(MannWhitneyのU検定)に比較、検討を行った。 【結果】 1)テロメラーゼ活性の発現率は無処置群(正常舌)16.7%(2/12)、上皮過形成群66.7%(4/6)、上皮異形成群70.0%(7/10)、扁平上皮癌群77.3%(17/22)であった。発現レベルの比較では、無処置群と上皮異形成群、扁平上皮癌群間では有意差を認めた。(P<0.01) 2)TERT mRNAの発現;発現率は無処置群(正常舌)25%(3/12)、上皮過形成群50.0%(3/6)、上皮異形成群60.0%(6/10)、扁平上皮癌群81.8%(18/22)であった。発現レベルにおいて、無処置群と上皮異形成群、扁平上皮癌群間で有意差を認めた。(P<0.05)また、テロメラーゼ活性との高い相関関係(ピアソンの相関係数0.73)を認めた。 3)Sp1 mRNAの発現;Sp1 mRNAの発現は全ての組織に認められた。発現レベルでは、無処置群と上皮異形成群、扁平上皮癌群間で有意差を認めた。(P<0.05) 【結論】 転写因子Sp1はhamster舌のすべての組織に発現が認められるが、TERT同様に上皮異形成、及び扁平上皮癌組織で上昇を認めたことから、Sp1の発現上昇がTERTの転写活性化に寄与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)