2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯石形成歯周炎ラットモデルにおける歯周病原菌の定着と炎症の推移
Project/Area Number |
14571976
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 英昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80168830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80014025)
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Keywords | 実験的歯周炎 / 歯石形成 / Porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
ヒト歯周炎に類似した症状をラットに再現するために、歯石を形成させた後、歯周病原菌と考えられているPorphyromonas gingivalis(P.g.と略す)を感染させて、その定着と歯周炎症状を対比させて検討した。常在菌中に混在する病原菌の影響を軽減するため、Bringerら(1971)の処方による歯石形成食を摂食させる前に、スルファメトキサゾール/トリメトプリムの抗菌剤で排除した。その後、投与した抗菌剤の影響を除くため、3週間通常の飼育を行った。床敷きを常習的に摂取した時に、形成された歯石が取れてしまうことを防ぐため、ケージには網状の床を設置して高くして、床敷きに届かないようにした。ラットは4群に分け、1つはコントロール群、残りの3群では細菌の接種回数を変化させた。歯石食は生後8週から与え、以後4週間で歯石の形成が確認された。P.g.菌は381株を用い、嫌気ボックス(気相:窒素80%、水素10%、二酸化炭素10%)内のフラン器(37℃)で、5%綿羊脱線維血液加コロンビアCNA寒天培地上で培養した。細菌は嫌気ボックス内で還元した5%カルボキシメチルセルロース加PBS溶液中に懸濁し、接種する直前まで密封容器に入れて保管した。ラットの口腔内に細菌懸濁液を直接投与する方法で、1週間に2回ずつ計4週間行って感染させた。屠殺後、上下顎を切り出し、右側は実体顕微鏡による観察を行い、左側は病理組織学的観察を行った。歯石の付着程度の評価は、Bringerら(1971)の方法に従って行った。歯槽骨の吸収程度は、上下顎第一臼歯の舌側近心部について、歯冠長の対する割合で評価した。その結果、歯石の付着は、下顎頬側に多く付着しているものの、P.g.菌の定着は次第に減少傾向にあった。また、歯槽骨の吸収程度は、P.g.菌を接種した場合、歯石の付着程度が低いのにも関わらず、大きい傾向にあった。
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