2002 Fiscal Year Annual Research Report
北方系未利用植物資源を素材とする新しい創薬素材分子の探索
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14571993
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 博史 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70220069)
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Keywords | エゾユズリハ / ハイイヌガヤ / ヒカゲノカズラ / ノゲイトウ / アルカロイド / 細胞毒性 / 北方系植物 / チューブリン |
Research Abstract |
申請者は、新たな医薬資源としての未利用資源の開発に興味を持ち北方系植物資源の調査研究を進め、多くの新規骨格のアルカロイドを発見してきた。北海道にはアイヌの呪術や信仰を基盤とする思考から選択された生薬も多くあり、伝承生薬に基づく採薬の原点を提示しているものと考えられる。このような観点から本研究では、北方系の未利用植物資源を素材として、新規骨格を有するアルカロイドに着目し、チューブリンなどを分子標的とし、新しい医薬リード化合物の開発、および生体機能解明のためのツールとしての応用も視野にいれて研究を展開した。以下に、本年度の研究成果の概要を報告する。 北海道で採集した北方系植物(エゾユズリハ、ハイイヌガヤ、ヒカゲノカズラ、ノゲイトウなど)の抽出物についてスクリーニングを行い、新規アルカロイドの分離、精製を行った。分離した化合物については、各種2次元NMR、高分解能MS、X線結晶解析等の分光学的手法ならびに分解や誘導反応などの化学的手法を用いて、立体化学を含めた化学構造を明らかにした。その結果、エゾユズリハからは、新規ダフネゾミン類、ハイイヌガヤからは新規セファレゾミン類、ヒカゲノカズラ科のヒメスギランから新規リコネシジン類、ノゲイトウから環状ペプチド、セロゲンチン類が得られた。このうち、セファレゾミン類は強い細胞毒性を示した。 現在、得られた新規アルカロイドやペプチドについてチューブリン重合阻害活性、および抗腫瘍活性を検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Morita: "Unique Polycyclic Alkaloids from Daphniphyllum humile"J. Org. Chem.. 67. 2278-2282 (2002)
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[Publications] J.Kobayashi: "Cephalocyclidin A, A Novel Pentacyclic Alkaloid from Cephalotaxus harringtonia var. nana"J. Org. Chem.. 67. 2283-2286 (2002)
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[Publications] H.Morita: "Daphnezomines L, M, N, and O, New Biogenetic Intermediates from Secodaphnane-to Daphnane-skeletons from Daphniphyllum humile"Tetrahedron. 58. 6637-6641 (2002)
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[Publications] H.Morita: "Application of the Polonovski-Type Reaction to Unusual Biomimetic Fragmentation of Serratinine to Serratezomine A"J. Org. Chem.. 67. 5378-5381 (2002)
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[Publications] J.Kobayashi: "Daphmanidin A, A Novel Hexacyclic Alkaloid from Daphniphyllum teijsmanni"J. Org. Chem.. 67. 6546-6549 (2002)
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[Publications] H.Morita: "Cephalezomines G, H, J, K, L, and M, New Alkaloids from Cephalotaxus harrigitonia var. nana"Tetrahedron. 58. 5489-5495 (2002)