2002 Fiscal Year Annual Research Report
エンド型閉環反応を基盤とする効率的ヘテロ中員環骨格構築法の開発
Project/Area Number |
14571998
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
向 智里 金沢大学, 薬学部, 教授 (70143914)
|
Keywords | スルホニル基 / エンド型閉環 / アレン / 含酸素複素環 / スルフィニル基 / マロン酸ジメチル / 活性メチン / シルロベンテン |
Research Abstract |
1位にスルホニル基と末端水酸基含有アルキル側鎖を有するアレン体(1)を合成し,塩基性条件下でのエンド型閉環反応を検討した.その結果,5員環から8員環までの含酸素複素環化合物が室温で容易に得られることが判明した.アレン末端に置換基を持つ場合にも,反応は進行し,良好な収率で対応する含酸素閉環体を与えた.電子吸引性基としてスルホニル基の代わりにスルフィニル基を用いた場合には,5員環から7員環成績体は容易に生成したが,8員環形成は進行しなかった.また,硫黄電子吸引性基の代わりにリン誘導体を用いた時にも,同様のエンド型閉環反応が起こり,対応する含酸素複素環成績体が得られた.さらに,アレン体(1)の末端水酸基部分をマロン酸ジメチルで置換した,活性メチン誘導体(2)を用いて同様のエンド型閉環を試みたところ,速やかに閉環反応が起こると同時に,マロン酸ジメチル部から脱メトキシカルボニルが進行した生成物が高収率で得られた.本反応を適用して,シクロペンテン及びシクロヘキセン誘導体を高収率で合成した.2のマロン酸ジメチル部を他の活性メチンに変えて反応を試みたところ,期待した反応が起こり,目的の閉環体をいずれの場合にも高収率で得ることができた.本反応を詳細に検討し,2種の中間体を単離した.それら中間体と最終成績体との関係を化学的に明らかにし,本反応の反応機構について考察を加えた.
|
Research Products
(1 results)