2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性アセトゲニン類の効率的合成法の開発と高活性物質の探索
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14572006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前崎 直容 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00229296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 徹明 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116059)
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Keywords | アノナセオウスアセトゲニン / 不斉合成 / 抗腫瘍活性天然物 / 不斉アルキニル化 / 反復合成法 / 立体分岐型合成法 / 系統的合成 / バンレイシ科植物 |
Research Abstract |
我々はバンレイシ科の植物から単離された抗腫瘍活性ポリケチド,アノナセオウスアセトゲニン類(以下アセトゲニン類と略す)の系統的不斉合成法の開発が高活性化合物の探索,構造決定,作用機作の解明などに役立つものと考え,研究を行っている.アセトゲニン類は多様な立体化学を持つ連続THF環構造を特徴としており,多数の不斉炭素の集中するTHF環部を高度な立体制御を伴って効率的に構築でき,多様な立体異性体の合成に適用可能な合成経路であることが優れた合成法開発の鍵となる.これらの点を考慮して反復合成法に基づいた系統的合成法を立案し,その確立を目指して検討を行った. 今年度は当初の計画通り,アセトゲニン類の系統的合成法の基礎となる水酸基に挟まれたmono-THF環構造の高立体選択的合成法の確立を目標に,試薬制御の不斉アルキニル化によるC4ユニットの立体選択的導入と立体分岐型THF環構築について検討を行い,以下の成果を得ることができた. 1)α-オキシアルデヒドに対する不斉合成素子の立体選択的導入反応の検討 高収率・高選択性を実現しうるC4ユニットの構造を検討した結果,ベンジリデンアセタール基で保護された3-ブチン-1,2-ジオールが最適なC4ユニットであることが分かり,配位子の不斉を変えることでα-オキシアルデヒドの不斉アルキニル化を完全に立体制御し,2種類のジアステレオ異性体をいずれも高収率・高立体選択性に作り分けることが可能となった. 2)THF環セグメントの高立体選択的構築法の確立 上記のジアステレオ異性体を,THF環の構築手順を変えることによって,THF環体の4種類のジアステレオ異性体をすべて作り分けることが可能となり,今後実施予定であるポリTHF環骨格構築法開発の基礎となる合成手法を確立することができた. 以上のように,今年度計画していた目標をほぼ完全に達成することができた.
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[Publications] Naoyoshi Maezaki: "First Total Synthesis of Mosin B"Organic Letters. 3・3. 429-432 (2001)
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[Publications] Naoyoshi Maezaki: "Highly Stereoselective and Stereodlvergent Synthesis of Four Types of THF Cores in Acetogenins Using a C4-Chiral Building Block"Organic Letters. 4・17. 2977-2980 (2002)
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[Publications] Naoyoshi Maezaki: "Total Synthesus of the Antitumor Acetogenin MosinB : Desymmetrization Approach to the Stereodivergent Synthesis of threo/trans/erythro-Type Acetogenins"Chemistry A European Journal. 9・2. 389-399 (2003)