2002 Fiscal Year Annual Research Report
植物の糖転移酵素遺伝子を利用する機能性物質の配糖体化
Project/Area Number |
14572008
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
水上 元 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30128219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永津 明人 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (70244572)
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Keywords | 植物細胞培養 / 生物物質転換 / 配糖体化 / curcumin |
Research Abstract |
10種類の植物に由来する懸濁培養細胞にcurcuminを添加してその配糖化能をスクリーニングした結果、ニチニチソウ培養細胞でより極性の高い化合物が生じていることが示された。そこで培養規模をスケールアップしてcurcuminを添加し、その配糖体画分をHPLCによって分離し、β-glucosidase処理することによって、curcuminのβ-glucosideと推定される5つの産物(CG1〜CG5)を検出した。これらを単離してMSおよびNMRスペクトルを測定することにより、これらの配糖化産物をcurcumin 4',4"-digentiobioside、curcumin 4'-gentiobiosyl-4"-monoglucoside、curcumin 4',4"-diglucoside、curcumin4'-gentiobioside、curcumin 4'-monoglucosideと同定した。これらの配糖体化産物生成の経時変化から、curcuminはまずmonoglucosideへと変換された後に種々の配糖体へとさらに変換されることがわかった。 つぎに、ニチニチソウ培養細胞のcurcumin配糖化能に及ぼす培養要因の影響を検討した。細胞の増殖段階としては、対数増殖初期の細胞が最も高い配糖体化活性を示した。また、培養細胞の配糖体化活性は、細胞にmethl jasmonateをcurcumin添加24時間前に加えることによって顕著に増加した。Salicylic acidはこのような配糖体化活性の促進効果を示さなかった。また、培地中の糖濃度を増加させることによって配糖体の生産能は著しく増加した。 第2年度においては、これらの知見を基礎にニチニチソウ培養細胞からUDP-glucosyltransferase cDNAをクローニングし、その大腸菌発現系を用いたcurcumin配糖体の生産システムを確立することを目標にして研究を実施する予定である。
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