2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物の糖転移酵素遺伝子を利用する機能性物質の配糖体化
Project/Area Number |
14572008
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Research Institution | Nagoya City University, Graduate School of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
水上 元 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30128219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永津 明人 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (70244572)
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Keywords | 植物細胞培養 / 生物物質転換 / 配糖体化 / curcumin / UDP-glucosyltransferase / cDNAクローニング / 組換え酵素 |
Research Abstract |
第1年度(平成14年度)の研究において、ニチニチソウの培養細胞が脂溶性の色素であるcurcuminを一連のglucosideに変換する活性を有していること、また、この活性は細胞をmethyl jasmonateやsalicylic acidで処理することによって増加することから、ストレス誘導性のUDP-glucosyltransferaseが関与していることを明らかにした。 これらの結果を踏まえて、ニチニチソウの培養細胞から構築したcDNAライブラリーから、UDP-glucosyltransferaseに良く保存された領域に基づくdegeneratel primerを用いるPCR-cloningによって、2つのUDP-glucosyltransferase cDNA (CaUGT1、CaUGT2)を単離した。これらのcDNAを大腸菌内で大量発現させて得た組換え酵素を用いた検討により、CaUGT2がcurcuminの分子内の2つの水酸基に順次グルコースを抱合するglucosyltransferase活性を示すことを明らかにし、さらにその酵素学的性質を詳細に検討した。さらに、組換え酵素を用いた配糖化反応をスケールアップして実施することにより、組換えCaUGT2を用いるcurcumin配糖体の酵素合成法は、化学的方法と比べて非常に簡便でかつ効率の高い方法であることを実証した。Curcumin配糖体はcurcuminに比べて約100万倍以上の水溶性を示し、curcuminの黄色色素としての用途を拡大するとともに、curcuminのprodrugとしての利用も期待することができる。
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