2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14572013
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
三巻 祥浩 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (90229790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横須賀 章人 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (20318190)
黒田 明平 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80266890)
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Keywords | ステロイド配糖体 / フェノール性物質 / フェニルアントラキノン / アポトーシス誘導 / 分子標的薬剤 / HL-60細胞 / HSC-2細胞 / 腫瘍選択性 |
Research Abstract |
本研究は,高等植物由来のステロイド配糖体やフェノール性物質のうち,アポトーシス回避機構を獲得した腫瘍細胞に対して,アポトーシス誘導の標的分子に作用してアポトーシスを誘導する化合物探索し,アポトーシス誘導分子標的薬剤のシードを見出すことを目的として実施したものである.本年度得られた研究成果の要略は1-3のとおりである. 1.ユリ科Bulbinella floribundaより2種の既知フェニルアントラキノンとともに5種の新規フェニルアントラキノン配糖体(bulbinelonesides A-Eと命名)を単離し,それらの構造を明らかにした.単離されたフェニルアントラキノン類はいずれもビフェニル部において光学活性であり,M体がHSC-2細胞に対してエトポシドと同程度の細胞毒性を示したが,P体は活性を示さなかった.2.リュウゼツラン科Agave utahensisより50種に及ぶステロイド配糖体を単離し,それらの構造を明らかにした.ステロイド骨格のA環とB環の結合様式がβである数種の化合物は,HL-60細胞に対してアポトーシスを誘導することを見出した.3.キンポウゲ科Helleborus orientalisより単離された強心配糖体はいずれもHSC-2細胞,A-357細胞,HepG2細胞に対してドキソルビシンを上回る細胞毒性を示したが,そのうち,アグリコンのC-3位水酸基にラムノースが結合した化合物は正常細胞に対する毒性が弱く,腫瘍細胞への選択な毒性が認められた.一方,グルコースが結合した化合物には腫瘍選択性は認められず,単糖の構造が腫瘍選択性に寄与していることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kazuki Watanabe, Yoshihiro Mimaki, Hiroshi Sakagami, Yutaka Sashida: "Bufadienolide and Spirostanol Glycosides from the Rhizomes of Helleborus orientalis"Journal of Natural Products. 66・2. 236-241 (2003)