2003 Fiscal Year Annual Research Report
窒素ラジカルの新規発生方法の開発と分子間付加環化反応への応用に関する研究
Project/Area Number |
14572015
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
北川 理 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30214787)
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Keywords | 窒素ラジカル / 付加環化 / ヨードアジリジン / オクタヒドロインドール / ヨードシクロプロパン / 活性メチン |
Research Abstract |
本研究は,N-トシルヨードアジリジン誘導体を利用した種々のアザホモアリルラジカル(2-アルケニルアミジルラジカル)種の効率的な発生方法の開発と,アルケン類との分子間ラジカル[3+2]付加環化反応を目的として行なっているものである.以下に平成15年度の研究成果を記述する. 1.光学活性なN-トシルヨードアジリジンを用いる不斉ラジカル[3+2]付加環化反応 今年度は,昨年度報告したN-トシルヨードアジリジン誘導体とアルケン類とのラジカル[3+2]付加環化反応を不斉反応へ展開した.すなわち,光学活性な双環性ヨードアジリジン誘導体(94%cc)を用いて光学活性なシクロアルケニルアミジルラジカル種を発生させ,種々のアルケン類との反応を行なった.その結果,ケテンアセタールとの反応がラセミ化することなく進行し,高い光学純度でオクタヒドロインドール誘導体(93%ee)が得られることを見い出した. 2.ヨードメチルシクロプロパンと種々のアルケン類とのラジカル[3+2]付加環化反応 関連反応として,類似のヨードアルキル3員環化合物であるヨードメチルシクロプロパン誘導体を用いて種々のアリル活性メチンラジカル種(求電子的ホモアリルラジカル種)を発生させ,アルケン類との反応を検討した.すなわち,従来のアリル活性メチンラジカルの反応は,そのほとんどが同一の電子吸引基を有する対称なラジカル種であり,異なる電子吸引基を有する非対称アリル活性メチンラジカルの反応は一般的ではなかった.私は,環上にエステル基とホスホニルあるいはスルホニル基を有するヨードメチルシクロプロパン誘導体をEt_3Bで処理すると非対称アリル活性メチンラジカルが発生し,共存するアルケン類とのヨードアトムトランスファー型のラジカル[3+2]付加環化反応が効率良く進行することを見い出した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Osamu Kitagawa et al.: "Iodine Atom Transfer [3+2] Cycloaddition with Electron-Rich Alkenes using N-Tosyl Iodoaziridine Derivatives as Novel Azahomoallyl Radical Precursors"J.Org.Chem.. 68. 3184-3189 (2003)
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[Publications] 北川 理ら: "新規ヨード環化反応ならびにラジカル付加環化反応の開発"TCIメール. 121. 2-15 (2004)