2002 Fiscal Year Annual Research Report
シャーガス病治療薬を目指した抗トリパノソーマ活性物質の探索
Project/Area Number |
14572028
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
阿部 フミ子 福岡大学, 薬学部, 助手 (10090747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 廣夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80117225)
赤羽 啓栄 福岡大学, 医学部, 助教授 (30020754)
岡部 光 福岡大学, 薬学部, 教授 (10078678)
牧 純 北里大学, 医学部, 講師 (60050697)
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Keywords | シャーガス病 / クルーズトリパノソーマ / 抗トリパノソーマ活性 / 天然物化学 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
1 シャーガス病は原虫Trypanosoma cruziに感染することにより発症する。Epimastigote stageに対する致死効果を指標に抗トリパノソーマ活性の一次スクリーニングを行った。メキシコでの植物採集および生薬の購入により69種のエキスを調製、また邦産植物についても駆虫効果が知られている植物を中心に128種のエキスを調製しスクリーニングを行った。このうち、オトギリソウ科、セリ科、ナス科、バンレイシ科植物を中心に活性が認められた。 2 オトギリソウ科植物(メキシコ産Garcinia intermedia, Calophyllum brasiliense、邦産G.subelliptica、フクギ)について抗トリパノソーマ活性を指標に分離精製を行い、キサントン類、クマリン類に活性を見出した。 3 T.cruziはヒト体内では血流中でtrypomastigote stage、組織細胞中でamastigote stageをとる。一次スクリーニングで活性が認められた化合物についてはtrypomastigote stageに対する活性をみるため、マウス腎細胞を用いtrypomastigote stageを得る系を確立した。 4 これまでは抗トリパノソーマ活性評価を原虫の運動性を観察することで行っていたが、細胞毒性測定用試薬を用い数値化することを検討した。原虫数(trypomastigote stage)とCell Counting Kit-8により生ずるホルマザンの吸光度との相関性が得られる種々の条件を検討した。その結果、良好な直線性を示す条件が明らかとなったので、今後はスクリーニングの数値化、迅速化が期待できる。
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