2002 Fiscal Year Annual Research Report
YhhP蛋白質の構造の安定性に及ぼす新規N-キャップモチーフCPXPの配列効果
Project/Area Number |
14572038
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
神藤 平三郎 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80138966)
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Keywords | YhhP蛋白質 / 点変異体 / CD-melting / 塩酸グアニジン / NMR / N-キャッピング |
Research Abstract |
本研究の目的はYhhP蛋白質の共通配列CPxPに焦点をあて,その生物学的および構造的役割を明らかにすることにある.さらに,PDBなどのデータベースに基づき統計的観点からCPxPのN-capモチーフとしての存在を確立することにある.その目的のために、CPxPを含む6残基LRCPEPに点変異を導入し、10種のYhhP変異蛋白質を作成した.まず,これらの変異体の機能を調べるためのバイオアッセイ,CD-meltingによる熱安定性および塩酸グアニジンに対する安定性の測定,さらに分子動力学計算による検討を行った.また,そのいくつかのものについてはNMRによる構造決定も行った.つぎのような結果が得られた.(1)機能的に完全に欠損した変異YhhPはC19SとP20A/P22A,部分的に欠損したものはE21Kであった.これら以外の変異はYhhPの機能には影響を与えなかった.変異YhhPの安定性に関して,塩酸グアニジンに対する安定性はP22Aに対してもっとも高く,P20Aは野生型にくらべ低かった.電荷を逆転した変異体E21KおよびR18Eはもっとも不安定であった.CD-meltingの結果は変性剤に対する安定性と高い相関が見られた.NMRによる三次元構造の解析によれば,野生型にくらべて変異体P22Aのα1-helixは2残基伸びたのに対して,P20Aでは1残基だけ短縮したことが明らかになった.このような蛋白質の安定性に及ぼすアミノ酸置換の効果は水素結合の生成と破壊をともなったα-helix長の伸縮に基づいて説明できた.これらの結果はCPxPモチーフが生物学的および物理学的に重要な役割を果たしていることが明らかになった(日本蛋白質科学会年会,名古屋;国際学会XXth ICMRBS, Canadaにて発表).
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Tashiro, H.shindo 他2名: "Identification of bound waters in the solution structure of ribonuclease T1 using the double pulsed field gradient spin-echo NMR technique for selective water excitation"Magn. Reson. Chem.. 40. 559-562 (2002)
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[Publications] M.Tashiro, H.Shindo 他6名: "NMR structure of ubiquitin-like domain in PARKIN : Gene product of familial Parkinson's disease"J. Biomolec. NMR. 25. 153-156 (2003)
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[Publications] N.Tomita, H.Shindo, 他4名: "Effects of triplet repeat sequences on nucleosome positioning and gene expression in yeast minichromosomes"Nucl. Acids Res., Supplement. No.2. 231-232 (2002)
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[Publications] S.Saito, H.Shindo 他3名: "The role of nucleosome positioning in repression by the yeast a2/Mcm1p repressor"Nucl. Acids Res., Supplement. No.2. 93-92 (2002)