2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンの超高感度HPLCエキシマー蛍光法の開発と、臨床・神経科学研究への実用
Project/Area Number |
14572043
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山口 政俊 福岡大学, 薬学部, 教授 (50117280)
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Keywords | ヒスタミン / エキシマー蛍光 / HPLC / 蛍光誘導体化 / 高感度分析 / 臨床研究 / 神経科学 |
Research Abstract |
ヒスタミンに対する高感度かつ高選択的なエキシマー蛍光誘導体化HPLC定量法の開発を行った。標準物質を用いたモデル実験で以下の成果が得られた。 1.最適誘導体化試薬の選択:市販及び合成したピレン構造を有する誘導体化試薬でヒスタミンをラベル化して,エキシマー蛍光発現の効率を精査した。最も発エキシマー蛍光効率に優れたピレン試薬4-(1-pyrene) butylic acid N-hydroxysuccinimidyl ester(PSE)を見いだした。またPSEとの反応により,ヒスタミンはジピレン誘導体構造のみを形成し,モノピレン誘導体とはなりえないことが確認された。 2.誘導体化反応及びHPLC分離条件の最適化:選択したピレン試薬PSEについて,誘導体化反応条件の最適化を行った。比較的簡便な操作のみで,ヒスタミンのエキシマー蛍光誘導体化が可能であった。さらに,そのエキシマー蛍光誘導体のHPLC分離条件の最適化を行い,関連化合物とのベースライン分離分析を可能とした。 3.分析バリデーションの確認:この方法論を,特に特異性及び感度の観点から詳細に検討し,バリデートするとともに従来法との比較を行った。標準物質を用いたモデル実験において,本法は従来の最高感度の方法より高感度で,かつ高選択的な分析法であることが確認された。特に,生体中の他のアミノ酸関連化合物の妨害を受けない極めて特異的な分析法であることが示唆された。 以上の結果から,本誘導体化法がヒスタミンに対する簡便,高感度及び高選択的定量法であることが示された。これにより,本法の様々な実試料分析についての有用性及びその臨床・神経科学研究への展開が大いに期待される。
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