2003 Fiscal Year Annual Research Report
レプチン受容体を介する脳免疫機能調節と新規機能分子の探索
Project/Area Number |
14572047
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大熊 康修 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (20127939)
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Keywords | レプチン / サイトカイン / インターロイキン-1β / 迷走神経 / 神経・免疫・内分泌相関 / 炎症 / 視床下部-下垂体-副腎系 / STAT3 |
Research Abstract |
レプチンは、最近免疫機能への関与が注目されている。一方、末梢のレプチンが脳免疫機能に及ぼす影響については不明な点が多い。またレプチンの脳内標的部位は主として視床下部であると考えられているが、視床下部以外の脳内作用部位とその機能については不明な点が多く、他の神経核レベルでの検討はほとんど見られない。本研究において得られた知見を以下に示す。 1)レプチンのOb-Rb受容体を介する脳内STAT3の活性化部位として,これまで視床下部が知られていた。今回末梢投与レプチンにより、STAT3のリン酸化が視床下部のみならず脳幹部において活性化したこと。SOCS3発現が視床下部のみならず脳幹部において増加したこと。さらにSTAT3リン酸化抗体を用いた免疫組織化学的成績より、新たに脳幹部の孤束核、迷走神経背側核、外側結合腕傍核、中心灰白質が新たな作用部位として存在することが明かになった。 2)デキサメサゾンは末梢投与レプチンによる脳内IL-1β誘導、レプチンによるグリア細胞におけるIL-1β誘導を抑制したが、一方レプチンによるSTAT3のリン酸化は抑制しなかった。したがって、グルココルチコイドはレプチンによる脳内IL-1β誘導に対し負に制御していることが明かになった。 3)レプチンの下流のシグナルにおける,新たな因子としてのdouble-stranded RNA-activated protein kinase (PKR)の可能性について検討した.PKRの阻害薬として知られている2-aminopurineを用いて検討したところ,興味深いことに2-aminopurineはPKRを介さずにレプチンの下流のシグナルを抑制した.この2-aminopurineの作用点はJanus kinase(JAK)であることが明かとなった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hosoi T.et al.: "Inhibition of leptin-induced IL-1b expression by glucocorticoids in the brain"Brain Research. 969(1-2). 95-101 (2003)
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[Publications] Miyazaki H.et al.: "Age-related alterations in the expression of glial cell line-derived neurotrophic factor in the senescence-accelerated mouse brain"J pharmacol Sci. 92(1). 28-34 (2003)
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[Publications] Zhan L.et al.: "Cholecystokinin inhibits food intake independent of interleukin-1b expression in the brain"Biol Pharm Bull. 26(8). 1181-1183 (2003)
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[Publications] Horie T.et al.: "Contraction of isolated guinea-pig ileum by urotensin II via activation of ganglionic cholinergic neurons and acetylcholine release"Neuropharmacology. 45(7). 1019-1027 (2003)
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[Publications] Shimma N.et al.: "Possible role of interleukin-6 in PC12 cell death induced by MPP+ and tetrahydroisoquinoline"J pharmacol Sci. 93(4). 471-477 (2003)