2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖生合成阻害活性のある水溶性アルカロイドのリソソーム蓄積症に対する作用の解析
Project/Area Number |
14572053
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
足立 伊左雄 富山医科薬科大学, 附属病院, 教授 (30151070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 敦 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (60303236)
浅野 直樹 北陸大学, 薬学部, 助教授 (50121265)
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Keywords | リソソーム蓄積症 / グルコセレブロシド / 水溶性アルカロイド / 糖鎖生合成 |
Research Abstract |
1)GlcCer合成酵素に対する阻害機構の解明 DNJのN-アルキル直鎖の長さを延長し、GlcCer合成酵素に対する阻害活性を測定したところ、N-butylまではNアルキル直鎖延長に伴い阻害活性の上昇が見られたが、それ以降では頭打ちになる傾向が見られた。また、N-アルキル側鎖は、必ずしも直鎖である必要はなく、むしろある程度の脂溶性を与えることが重要であることも明らかになった。N-butanoylの阻害率はN-butyl体と比べ約60%も低く、阻害活性発現の条件としては、窒素原子の塩基性も考慮に入れる必要があることが示唆された。窒素原子の塩基性およびピペリジン環上の水酸基の配位が阻害活性の発現に関与しているという結果より、NBu-DNJは糖としての認識を受け、UDP-Glcに拮抗しているのではないかと推察された。そこで、Lineweaver-Burk-plotを行った結果、NBu-DNJはCerではなくUDP-Glcに対し、混合型の阻害様式で拮抗していることが明らかとなった(Ki=1.3μM)。 2)GlcCer排除能の評価 ヒト骨髄芽球cell lineであるHL-60細胞をグルコセレブロシダーゼの非可逆的阻害剤であるconduritol β epoxideの存在下で14日間、培養することによりゴーシェ病病態モデルを作成した。この系に糖脂質生合成阻害剤であるNBu-DNJおよびNBu-DGJを添加したところグルコセレブロシドの蓄積は有意に抑制されることが明らかとなった。
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