2002 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド形成蛋白のイオンチャネル形成と神経毒性発現を阻害する物質の探索
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14572106
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
川原 正博 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40224828)
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Keywords | カルシウム ホメオスタシス / アルツハイマー病 / プリオン病 / アルミニウム / 亜鉛 / 微量元素 / イオンチャネル / 神経ステロイド |
Research Abstract |
アルツハイマー病の発症メカニズムとして、βアミロイド蛋白(AβP)の神経毒性が注目されているが、その機構の詳細は未だ不明である。本研究ではこれまでにAβPがGT1-7細胞の膜に結合してチャネル(pore)を形成し、細胞内カルシウムイオンのホメオスタシス異常を引き起こすことによって細胞死を起こすことを明らかにしている。またAβPのみならず、プリオン蛋白断片ペプチド、ヒト膵臓アミロイドペプチド、αシヌクレイン断片ペプチドなど、それぞれプリオン病、2型糖尿病、パーキンソン病で異常に蓄積し発症に関与すると考えられている他のアミロイド形成ペプチドでも、同様に細胞内カルシウムィオンのホメオスタシスの異常が生じることを明らかにしている。本年度はさらに、培養海馬神経細胞でも同様な細胞内カルシウム流入が生じることを見いだした。この細胞内カルシウム流入に影響する因子として、膜脂質と金属に注目し、その影響を検討している。その過程で、レスベラトールなどの植物成分がAβPによる細胞内カルシウム流入に影響するという結果を得ている。また、プリオン蛋白についてさらに詳しく、種々の部分ペプチドを用いて検討した。さらに、鉄や亜鉛などの神経系に対する作用について検討を行い、中でも、アルツハイマー病の危険因子であるアルミニウムが海馬神経細胞の細胞死を引き起こすことを見いだした。さらにアルミニウムの毒性は脳由来神経栄養因子(BDNF)によって阻害され、アルミニウムは細胞内カルシウムホメオスタシスの異常を引き起こすことも明らかになった(論文投稿中)。BDNFはアルツハイマー病脳で減少していることを考えると、今回の結果は発症のメカニズムに関連している可能性が考えられる。今後、この系を用いて、アルツハイマー病の予防薬につながる物質のスクリーニングを行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.KAWAHARA: "Characterization of zinc-induced apoptosis of GT1-7"Biomed Res Trace Elements. 13. 67-68 (2002)
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[Publications] M.KAWAHARA: "Pyruvate blocks zinc-induced neurotoxicity in immortalized hypothalamic neurons"Cellular and Molecular Neurobiology. 22. 87-93 (2002)
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[Publications] 川原正博: "環境中化学物質の神経撹乱作用"水環境学会誌. 25. 81-86 (2002)
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[Publications] 川原正博: "微量元素異常と老人性痴呆"生物試料分析科学. 25. 111-123 (2002)
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[Publications] M.KAWAHARA: "Deferoxamine, an iron chelator, is neurotoxic to immature cultured neurons of rat cerehral cortex but not to matured cultured neurons"Biomed Res Trace Elements. 13. 1-6 (2002)
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[Publications] 川原正博: "「よくわかるアルツハイマー病」第5章アルツハイマー病の危険因子"永井書店(印刷中). (2003)