2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフェノール類の動態特性の評価-消化管代謝及び非出系の寄与についての検討、ヒトにおける予測-
Project/Area Number |
14572108
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
赤尾 光昭 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (20069058)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今中 常雄 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (50119559)
|
Keywords | ポリフェノール / 腸管 / 吸収 / 排出 / 代謝 / バイカリン / エピカテキン / ケルセチン |
Research Abstract |
申請者らは、漢方方剤が経口服用されることに着目し、著明な配糖体成分の経口投与後のラット体内動態、薬効発現について検討を行ってきた。ポリフェノール配糖体であるバイカリンはユニークな動態を示し、特に腸管での代謝、排出がその動態に大きく関わっていた。現在、強力な抗酸化作用で注目されているポリフェノール類のバイオアベイラビリティーは極端に低く、in vivoでの効果には疑義がある。そこで、ポリフェノール類の動態に及ぼす消化管の寄与について検討することを目的としている。 本年度において、代表的ポリフェノールである茶の主成分(-)-エピカテキンを取り上げ、臓器レベルでの腸管吸収、腸管代謝、さらにin vitro代謝について、バイカリン及びそのアグリコンであるバイガレインと比較検討した。ラット空腸の腸管ループ及び反転腸管において、両化合物とも吸収され難く、特に反転腸管において血液側への移行は著しく低かった。空腸粘膜細胞には取り込まれるが、血液側への移行が極端に低いのが、ポリフェノール類の特徴と考えられた。また、バイカレインは空腸粘膜細胞に取り込まれた後、速やかにグルクロン酸抱合され、主に腸管腔へと排出されたが、(-)-エピカテキンのグルクロン酸抱合体の排出は少なく腸管粘膜細胞において代謝を受け難いと想像された。このことはin vitroでの代謝活性より確認され、空腸において(-)-エピカテキンはバイカレインに比ベグルクロン酸抱合を始め硫酸抱合、メチル化とも著しく低い活性であった。これら腸管における吸収、排出、代謝がポリフェノール類のバイオアベイラビリティーに大きく関わっていることが示唆された。 また、ヒト結腸癌由来Caco-2細胞においても、バイカレインのユニークな代謝、排出が認められ、ヒトにおいてもラット同様の動態が推測された。 さらに、柳の主成分サリシン及びそのアグリコン、サリゲニンについての検討も行い、現在もう一つの代表的ポリフェノール、ケルセチンについても検討中である。
|
Research Products
(1 results)