2002 Fiscal Year Annual Research Report
大阪市における救急搬送の時間的、空間的特性と重症度の解析
Project/Area Number |
14572133
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
行岡 秀和 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80117986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
圓藤 吟史 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20160393)
栗田 聡 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00254417)
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Keywords | プレホスピタルケア / 救急搬送 / 重症度分類 |
Research Abstract |
本研究の目的は、過去10年間の大阪市内における救急隊員によるすべての救急搬送症例について、重症度、時間的因子、患者性別、発生場所、発生時間帯、傷病種別、事故種別を調査し、大阪市における救急搬送の時間的、空間的特性ならびに重症度を解析することである。さらに時間的因子を重症度、発生時間帯、発生場所(町単位)などと比較することにより、プレホスピタルケアの質について考察する。また、過去10年間のデータを分析し、傷病構造、年齢分布、重症度、救急出場需要の経時的な変化を把握し、今後の救急車最適配置、消防機関、医療機関のより合理的な連携を検討し、地域医療に貢献することを目的とする。 まず、平成12年度の大阪市における救急搬送患者(約15万人)の重症度(意識、脈拍数、収縮期血圧、呼吸数より算出する)を調査した。Japan Coma Scale 10以上、脈拍数50/分以下または110/分以上、収縮期血圧90mmHg以下または200mmHg以上、呼吸数10/分以下または30/分以上のいずれかがあれば重症と判定し、それぞれに1点を与え重症度を点数化した。パルスオキシメータにより動脈血酸素飽和度が測定されており、かつ90以下であれば1点加算した。 救急搬送患者のうちの重症患者の割合は、45〜54歳で最も低く(33%)、75歳以上では50%を越えていた。救急搬送患者は男性が多いが、重症度は女性の方が高かった(重症患者の割合:男38%、女51%)。重症度スコア1の患者はスコア2の患者の5倍で、さらに、スコア2の患者はスコア3の患者の8倍であった。重症度スコア3、4の患者よりも、病院外心肺停止患者搬送の頻度の方が大であった。
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