2003 Fiscal Year Annual Research Report
癌関連抗原CD98に対するヒト型リコンビナント抗体の作製とその臨床応用
Project/Area Number |
14572150
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
伊藤 邦彦 秋田大学, 医学部, 助教授 (90221770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敏夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20108559)
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Keywords | ヒト型リコンビナント抗体 / ファージディスプレイ法 / 癌関連抗原 / 癌診断 / 癌治療 / HeLa細胞 / 細胞接着因子 |
Research Abstract |
昨年度の研究により得られた浮遊系HeLa細胞(sHeLa)と反応するファージライブラリーからリコンビナントFab(rFab)を調製し、sHeLaに対する反応性を間接蛍光抗体法により検討した。その結果、40クローンの内39クローンが陽性であった。陽性クローンDNAのBstNIフィンガープリントはすべて同一であった。得られたクローンをAHSA(anti-HeLa surface antigen)rFabと命名し、その分子構造及び反応特異性について詳細に検討した。抗体可変部のシーケンス解析を行った結果、H鎖は、IGHV3ファミリーに属し、VH3-21ジャームラインと、塩基レベルで97%、アミノ酸レベルで96%の相同性を示した。また、L鎖は、IGKV3サブグループに属し、A27ジャームラインと塩基レベルで98%、アミノ酸レベルで97%の相同性を示した。大腸菌を培養後、IPTG誘導で得られたAHSA rFabの反応特異性について検討した。AHSArFabは、sHeLaの細胞表面と反応したが、付着系HeLaとは反応せず、その他のヒト由来あるいはマウス由来細胞株とも反応しなかった。sHeLaは、クラスターを作りながら増殖する細胞であるが、長期の培養によりプラスチック付着性となる。AHSA rFabのsHeLaに対する反応性は、培養の長期化に伴い減弱した。また、sHeLa培養系へのAHSA rFabの添加により、sHeLaのクラスタリングは、濃度依存的に阻害された。以上の結果よりAHSA rFabは、クラスター形成に関連する細胞表面抗原を認識していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Itoh, k, Inoue, k, Suzuki, T.et al.: "Molecular structural and functional characterization of tumor suppressive anti-Erb-B2 monoclonal antibody by phage display system"J.Biochem.. 133. 239-245 (2003)
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[Publications] Tsuruta, L.R., Itoh, k, et al.: "Characterization of 11-dehydro-thromboxane B2 necombinart antibody of tained by phage display technology"Prostagrandins, Leukot., Essent.Fatty Acids. 64. 273-284 (2003)