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2004 Fiscal Year Annual Research Report

ヒトと有明海の魚介類より分離したビブリオ・バルニフィカスの解析と迅速診断法の開発

Research Project

Project/Area Number 14572194
Research InstitutionKurume University

Principal Investigator

佐川 公矯  久留米大学, 医学部, 教授 (20140650)

Keywordsビブリオ・バルニフィカス / Vibrio vulnificus / 有明海 / 溶血活性 / パルスフィールド・ゲル電気泳動法 / チオ尿素
Research Abstract

有明海周辺はビブリオ・バルニフィカス感染症の多発地域である。我々はまず予備研究として、2001年から有明海のビブリオ・バルニフィカスの生息調査を開始し、その過程で分離培養されたビブリオ・バルニフィカスの菌株を使用して、2002年から2004年にかけて細菌学的解析、遺伝子学的解析、および迅速診断法の開発研究を行った。
毎月2回、大潮の日に、有明海の3定点で海水と干潟汚泥を採取し、ビブリオ・バルニフィカスを分離同定し、最確数を算定した。同時に、柳川市内の特定の鮮魚店より有明海産の魚介類を購入し、その内臓で検索を行った。海水からの最確数は、1月から5月までは検出数が少なく、6月より徐々に増加し、7月、8月、9月にピークに達した。10月からは徐々に減少したが、最確数ゼロの月はなかった。干潟汚泥からも年間を通して分離同定された。また、ほとんどの魚介類からも分離同定され、季節は夏期が多いが、夏期以外にも分離された。
分離されたビブリオ・バルニフィカス菌株の溶血活性は、夏期分離株はすべて活性が高く、夏期以外の分離株は活性の高い株と低い株とが半数ずつ認められた。87菌株について薬剤感受性を調べると、CAZ, CP, MINO, IPM, OFLXが良好な感受性を示した。パルスフィールド・ゲル電気泳動法による遺伝子解析では、チオ尿素を50マイクロモル加えると鮮明なバンドパターンが得られた。なお、ビブリオ・バルニフィカス特有のバンドパターンは確認できなかった。迅速診断法については引き続き開発研究中であるが、有明海には年間を通してビブリオ・バルニフィカスが生息していることを確認できた。また、溶血活性の高い菌と低い菌との2種類が存在し、溶血活性が高く毒性が強いと考えられる菌が、数の増減はあるが年間を通して生息していることが確認された。この事実は、慢性肝疾患、あるいは免疫不全状態の人は、年間を通して有明海産の生の魚介類の摂食を控えるべきであることを示している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2004 2002

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 有明海干潟汚泥、海水、魚介類中におけるVibrio vulnificusの季節別生息状況2004

    • Author(s)
      木下千恵, 堀田吏乃, 橋本好司, 近藤正治, 松枝智子, 佐川公矯
    • Journal Title

      臨床病理 52(7)

      Pages: 580-586

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 有明海におけるVibrio vulnificusの環境調査と細菌学的解析2002

    • Author(s)
      佐川公矯
    • Journal Title

      Laboratory and Clinical Practice 20(2)

      Pages: 85-88

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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