2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規に発見した腎有機酸転送系による分子病態検査手法の開発(高尿酸血症と腎癌)
Project/Area Number |
14572199
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Research Institution | Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Diseases (Research Institute) |
Principal Investigator |
中島 弘 大阪府立成人病センター研究所, 特別研究員 (50252680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三國 利美子 大阪府立成人病センター, 研究所, 研究員 (40332457)
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Keywords | 遺伝子検査 / ゲノミクス / プロテオミクス / 有機酸トランスポーター / エピトープ / 遺伝子クローニング / 特異抗体 / がん |
Research Abstract |
前年度にクローニングした腎で主として発現する尿酸・有機酸トランスポーター分子の発現を臨床検体での測定を介して、高尿酸血症の成因とそれに立脚した病態で明らかにし、治療手段の意思決定と適切な薬剤使用のガイドとする。さらには、本遺伝子が癌とりわけ腎臓癌で高発現するため、その血中濃度測定を新たな腫瘍マーカーとして位置付ける。また現在癌転移のマーカーは有効なものがなく、その面から特に特徴づける。 本遺伝子産物の高感度かつ再現性の高いアッセイ系を構築するため研究をすすめた。 ・遺伝子解析を終了した分子の一次構造を参考に合成ペプタイドを合成し、以下の手法で特異的抗体を作成した。 1.まずChou-Fasman分析から一次構造を想定し、いくつかのドメインを特定した。 2.次にHydropathy分析から膜貫通部分を特定し、Extracellular domainとCytoplasmic domainを分類した。 3.Extracellular domainで細胞膜内に一部存在する部分を特定した。 4.Extracellular domainでシングルエクソンでコードされる部分を抽出した。 5.Cytoplasmic domainのC末端部分で、細胞膜から露出していると考えられる部分を同定した。 6.以上のドメインにはそれぞれ抗体としての特異性に特徴があると考えられるので、これらからそれそれペプチド合成を行って特異抗体を作成した。 7.現在、得られた抗体の特異的・非特異的結合の有無を調査中で、血清、尿等の臨床検体で干渉なくアッセイが組めるかどうかを検討した。 8.病理標本を用いて、免疫組織化学的な手法への活用が可能である。 9.特異抗体が確定次第、アッセイ系の構築を行う予定である。これは研究年度終了以降も継続していく。 本研究は尿酸転送機構の分析に端を発してさらに広くがん研究への応用が可能となったテーマであり、研究計画においてその基盤を形成することが出来た。今後の早期の臨床応用を目指して研究年度以降も研究は継続していく。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Horikawa Y, Nakajima H, et al.: "Identification of a novel variant in the phosphoenolpyruvate carboxykinase gene promoter in Japanese patients with type 2 diabetes."Horm Metab Res. 35. 308-312 (2003)
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[Publications] Taguchi T, Nakajima H, et al.: "Determination of D-Mannose in Plasma by HPLC."Clinical Chemistry. 49(1). 181-183 (2003)
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[Publications] Mikuni T, Nakajima H, et al.: "Mechanism of the production of reactive oxygen and nitrogen species in the stomach"Current Topics in Pharmacology. 8(1). 67-77 (2003)
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[Publications] Nakajima H: "The globalization of bioethics-A review of current conditions in Japan for the health care system in the 21st century-."Japan Med Assoc J. 47(2). 84-93 (2004)
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[Publications] 中島 弘: "職域における高尿酸血症の管理:高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインをふまえて"産衛誌. 45. 12-19 (2003)
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[Publications] 中島 弘: "生活指導:高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインにおける基本的な治療方針"痛風と核酸代謝. 27(2). 189-194 (2003)
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[Publications] 中島 弘 ほか: "かんじゃ想い"日総研出版. 306 (2003)