2005 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷・豪雪地域における在宅高齢者への介護サービスの効果に関する研究
Project/Area Number |
14572208
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Research Institution | Tokyo Healthcare University |
Principal Investigator |
西脇 友子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 助教授 (80279900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 公子 新潟大学, 医学部, 助教授 (80310275)
中村 和利 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70207869)
藤野 邦夫 新潟大学, 大学院, 教授 (40293237)
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Keywords | 在宅介護保険サービス / 在宅障害高齢者 / 身体機能 / 栄養状態 / 精神機能 |
Research Abstract |
1.寒冷・豪雪地域における在宅障害高齢者の通所介護利用の効果分析:平成15年1-3月に行った寒冷・豪雪地域に暮らしている在宅障害高齢者の身体的精神的特徴を平成17年1-3月に追跡調査した。主な調査項目は(1)質問紙調査(基本属性・ADL・うつスケール・MMSE・QOL)(2)血液検査(アルブミン・ヘモグロビン・腎機能)(3)筋量検査(4)身体計測(5)握力である。分析対象者は,前回の冬期間調査に参加した205名の内、死亡42名、施設入所及び長期入院21名、入院10名、辞退6名、転出その他8名を除いた118名が今回の調査に同意し対象者となった。デイサービス利用者93名、非利用者25名である。女性83名、男性35名、平均年齢は86.1(±7.4)、81.1(±9.6)で女性の年齢が高かった。死亡者は女性25名、男性17名、平均年齢86.6(±8.4)で90歳以上が23名と半数を占めた。生存群と死亡群における性差はなかった。分析の結果、通所介護利用頻度と血色素、血清アルブミンに有意差あるいは有意な傾向を認め,通所介護利用頻度が栄養状態に影響を与えていることが明らかとなった。通所介護利用者は非利用者より有意に年齢が高かったが、年齢と有意な相関を示した握力や筋量、血色素、血清アルブミン値の平均は非利用群と比較し劣っていなかった。今回は非利用群の人数が少ないことや利用群により脆弱な高齢者が多かったことなどの限界のため、通所介護利用と握力や筋量などの身体機能との関連を証明するには至らなかった。要介護度の重度化の要因は、高齢、MMSE低下、低アルブミン値で、死亡の要因はBMIと血清アルブミンが選択された。今回のような85歳を超えた超高齢者の要介護在宅高齢者における要介護度の重度化と死亡には、年齢や栄養状態、MMSEが重要な要因であることが示された。 2.結果報告会:2年間の調査結果を平成17年7月15日に行った。参加者は南魚沼市の介護支援専門員、デイサービスセンター職員、保健所・市役所職員など約50名であった。来年度から介護保険の新予防給付が実施されることを考え、市福祉課長の出席を得た。 3.豪雪による在宅サービスへの影響調査:平成17年12月〜平成18年1月の記録的な豪雪による通所系サービスと訪問系サービスへの影響をアンケートにより調査した。送迎への影響(車の故障、送迎時間の延長)やサービス時間の短縮、雪にかかわる出費などがプレ調査であげられている。
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