2002 Fiscal Year Annual Research Report
要介護者の追跡調査による施設入所待機要因と在宅生活継続支援ケアマネジメントの検討
Project/Area Number |
14572236
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
野川 とも江 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20104987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 まり子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (20292394)
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Keywords | 介護保険制度 / 在宅要介護者 / 施設入所待機要因 / 在宅生活継続支援 / 追跡調査 / ケアマネジメント / 居宅サービス |
Research Abstract |
【目的】介護保険制度下では施設入所待機者の増加が指摘されており、その対応策の検討が急務と考え、居宅サービス利用者の介護保険施設入所待機の実態と待機要因を明らかにすることを目的とした。 【方法】A県B市内の居宅サービスを利用している要介護認定者799名に,介護支援専門員の協力を得て,訪問配布・回収による留置式質問紙調査を実施.調査に同意の得られた家族介護者726名から有効回答(回収率90.9%)を得た. 調査時期: H14.2〜3分析方法:有効回答のうち介護保険施設に入所申込有群(n=51、7.1%),申込無群(n=600、92.9%)の2群で比較検討した.統計分析はt検定,X^2乗検定、統計処理はSPSSver.10.1.調査内容:要介護者・介護者の属性,要介護度,世帯形態,要介護度への満足度,介護保険サービス満足度,今後利用してみたい介護保険サービス等。 【結果】本調査対象者の入所待機者の割合7.1%。入所申込有り・無しの2群の比較で、入所待機要因が明らかになった。全体では、利用者の性別は、男性(n=224、34.4%)、女性(n=427、65.6%)で、両群の性別構成に差なく、平均年齢(SD)は申込有群82.8歳(±8.45)、申込無群は77.7歳(±9.85)で差があった。要介護度3〜5の重度者は30.7%で、要介護度の比較では有群46.0%、無群29.4%と有群で重度化の傾向があった。利用者要因では、利用者の年齢が高齢、特に後期高齢の女性、要介護度が重度、世帯構成であった。介護者要因では、申込有群は介護者の8割以上が心身にストレスを感じ、無群は6割弱であった。両群に有意の差があり、介護者の関係及び心身のストレス等であった。今後利用したいサービスは、通所・短期入所・介護施設入所ともに利用意向が高い点が指摘できた。入所申込の理由は、介護者側の理由(介護者負担、仕事や生活の支障、心身の悪化)が多く延べ46件。利用者側の理由では、本人の重度化の悪化等によるものが多く、延べ42件。利用者側よりも介護者側の理由が上回っていることが明らかとなった。
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[Publications] 野川とも江, 他: "介護保険における居宅サービス利用者の施設入所待機要因の検討"第7回日本在宅ケア学会. 6(2). 44-45 (2003)
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[Publications] 野川とも江, 遠藤まり子: "痴呆性高齢者の介護家族における介護生活肯定的態度の検討"第22回日本看護科学学会学術集会講演集. 184 (2002)
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[Publications] 野川とも江, 遠藤まり子: "介護保険制度化における初老期痴呆の在宅介護の特性"第6回日本在宅ケア学会. 5(2). 102-103 (2002)
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[Publications] 遠藤まり子, 野川とも江: "痴呆性高齢者の要介護度と在宅介護上の問題状況との関連-65歳以上の痴呆性高齢者の在宅介護者へのアンケートから-"第6回日本在宅ケア学会. 5(2). 104-105 (2002)
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[Publications] 遠藤まり子, 野川とも江: "痴呆性高齢者の介護サービス利用状況と配偶介護者への社会的支援の検討"第22回日本看護科学学会学術集会講演集. 183 (2002)
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[Publications] 遠藤まり子, 野川とも江: "在宅痴呆高齢者の自宅介護継続意向に関連する要因の検討"第61回日本公衆衛生学会. 419(10). 762 (2002)
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[Publications] 大橋謙策, 野川とも江, 他: "21世紀トータルケアシステムの創造"万葉舎. 278 (2002)