2003 Fiscal Year Annual Research Report
看護・介護者の身体負担の軽減に関する人間工学的研究
Project/Area Number |
14572237
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
國澤 尚子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (20310625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 章仁 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (40315726)
小川 鑛一 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90016684)
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Keywords | 臀部挙上 / 仰臥位 / フォースプレート / 力変換器 / 負担 / 荷重 / 重心 |
Research Abstract |
看護・介護者にとって負担が大きく腰痛の原因となるのは、前傾姿勢で力を要する動作である。臥床者の腰部持ち上げ介助もそのひとつである。本研究では被介助者、介助者の両者にとって負担が少ない方法を検討することを目的としている。今年度は、介助者の負担について、介助経験者(臨床経験を有する看護師)と初学者(看護学生)の動作の違いによる身体負担を比較した。高さ調整可能なベッド上にひずみゲージ式2軸フォースプレートを頭部、背部、臀部、両下肢部に設置し、介助者の足元にロードセルを介した床反力計を設置した。介助者は患者右側の床反力計の上に立ち、被介助者はベッド上で腕を組んで臥位をとらせた。実験開始の合図後、介助者・被介助者が息を合わせてそれぞれ力を発揮しながら被介助者の臀部挙上を開始し、挙上頂点で約5秒問停止、両者が力を発揮しながら臀部を下げた。挙上直前と挙上中の測定値の差と、動作中の荷重の総和の二つで検討を行った。また、効率性の評価として、介助者の重心移動を測定した。その結果、介助経験者の重心はベッドに対して前後方向に大きく移動していた。これは足を開いて基底面を広くとり、重心を低くして前傾姿勢をとっているためである。また、介助経験者は挙上する際に反動を利用して瞬間的に大きな力を発揮して啓部挙上を介助し、その後は安定した力で挙上を維持している。一方、初学者の重心移動は少なく、身体全体を構えずに手先だけで挙上を行っていた。また、初学者の発揮力は全体的に一定であり、一番力を発揮しなければならない臀部挙上の瞬間に力を発揮できていない。また、介助経験者、初学者の動作中の荷重変化量の総和に違いがなかったことから、介助経験者は効率が良くメリハリのある挙上を行っていることが明らかになった。 研究の成果については、平成15年8月28日に、IEA2003(日韓人間工学会)で報告した。
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