2004 Fiscal Year Annual Research Report
療養型病床群における高齢者の転倒予防:EBNに基づいた運動プログラムの作成
Project/Area Number |
14572270
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (20293350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 キヨ子 金沢大学, 医学部, 教授 (20115207)
平松 知子 金沢大学, 医学部, 講師 (70228815)
浅川 康吉 群馬大学, 医学部, 助手 (60231875)
正源寺 美穂 金沢大学, 医学部, 助手 (80345636)
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Keywords | 転倒 / 運動プログラム / 高齢者 / EBN / 療養型病床群 |
Research Abstract |
【目的】 療養型病床群の脆弱な高齢者を対象にEvidence-Based Nursingに基づいて下肢筋力を中心とした運動プログラムを昨年度作成し実施した結果、移乗・移動能力などに効果はあったが転倒自己効力感などに改善がなかった。そこで本年度は、上肢を加えた全身運動のプログラム内容に改訂し、その効果を検証することを目的とした。 【方法】 対象は身体状態が安定し医師から許可がえられ、かつ対象・家族から本研究に書面により同意がえられた40名(83.9±9.1歳)、うち介入群22名、対照群18名である。運動期間は3ヶ月間で、改訂したプログラム内容は上肢の筋力運動の追加、大腰筋の運動強化、姿勢にかかわる部位や足部などストレッチング箇所の追加である。 介入評価は運動前後に重心動揺、ファンクショナルリーチテスト、下肢筋力、握力、機能的自立度評価法による移乗・移動能力、足底・足趾の形状、転倒恐怖感、転倒自己効力感を調査した。また、ボルグスケールによる運動負荷の程度や参加感想を聞き取り調査した。 【結果】 運動参加による発症、損傷、事故はなかった。重心動揺は、介入群は5.2±2.1cm^2から3.6±2.5cm^2と低下し有意差がみられ、対照群は5.1±3.1cm^2から5.8±4.6cm^2と変化がなかった。ファンクショナルリーチは、介入群は15.0±5.0cmから15.1±7.7cm、対照群は18.6±4.7cmから13.1±6.9cmと対照群は有意に低下した。下肢筋力は、介入群は11.3±5.4kgから11.4±5.4kg、対照群は9.3±4.2kgから10.3±3.8kgとともに変化はなかった。握力は、介入群は12.5±8.5kgから13.5±8.3kg、対象群は10.3±4.5kgから10.5±4.6kgとともに変化はなかった。転倒自己効力感は、介入群は23.7±5.2点から26.4±4.0点と有意に向上し、対照群は26.2±3.7点から28.2±3.3点と変化はなかった。足趾形状は、介入群は4.5±3.6点から2.9±2.5点と有意に向上したが、対照群は4.8±4.1点から4.2±3.6点と変化はなかった。 【考察】 以上のことから、改訂した運動プログラムは転倒自己効力感の向上など運動効果が増加したため、改訂内容が適切であったと考えられた。
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Research Products
(9 results)