2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者における受診中断後の療養生活の実態とその変化に関する質的研究
Project/Area Number |
14572281
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
古賀 明美 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00336140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 君支 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (80315209)
松岡 緑 九州大学, 医学部, 教授 (00108763)
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Keywords | 糖尿病 / 受診中断 / 治療継続 / 食事療法 / 運動療法 / 定期受診 / 自己管理行動 |
Research Abstract |
【研究目的】申請者の先行研究では、糖尿病の受診を中断している人は継続している人に比べ、自己管理行動がとれておらず、血糖コントロールが悪いことが明らかになった。そこで、本研究の目的は、糖尿病を持つ受診中断者の療養生活(食事療法、運動療法、定期受診)の体験を記述し、療養生活の実態を明らかにすることである。【研究方法】多様な療養生活の個別の体験を探索するために、グランデッドセオリーアプローチによる個別面接調査を行なった。対象は、6ヶ月以上糖尿病に関する受診をしていなかった体験のある受診中断体験者および現在も受診中断中にある患者で、面接調査に同意の得られた14名である。「受診行動に関連した療養生活の体験」は何かという視点で質的帰納的に分析した。【結果】分析の結果、受診中断後の療養生活として、受診を再開した人の「自己管理の修正しやすい」、依然として受診を中断している人の「自分なりの管理基準を持つ」「自己管理の認知・行動不一致」の3つのパターンが抽出された。受診を再開した人の「自己管理の修正しやすい」療養生活を送っている人は、受診前は意識的に自己管理行動を強化し、自己管理行動の意識を持ち続けるのに効果があると認識していた。一方、依然として受診を中断しながらも、「自分なりの管理基準を持つ」療養生活を送っている人は、食事療法に対する協力者を持ち、すべて制限するのはストレスになると自分なりの管理基準を持つことで療養生活を継続し、自己管理できる自信を持っていた。「自己管理の認知・行動不一致」の療養生活を送っている人は、単身赴任あるいは経営者という責任ある立場、また転職による生活パターンの変化から分かっていても実行できないという認識を持ち、自己管理行動がとれていなかった。今後、さらに、受診中断に至ったプロセスと中断後の療養生活との関連なども明らかにしたい。
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Research Products
(1 results)