2003 Fiscal Year Annual Research Report
一人暮らしの高齢者を支えるレミニッセンス療法に関する研究
Project/Area Number |
14572289
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
勝野 とわ子 東京都立保健科学大学, 保健科学部・看護学科, 助教授 (60322351)
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Keywords | レミニッセンス / 高齢者 / 一人暮らし |
Research Abstract |
平成15年度の本研究の実績は、以下の通りである。 1.地域在住高齢者のレミニッセンス活動に関する実態調査の実施 東京都内および近県に在住する高齢者約70名を対象として郵送法による実態調査を実施した。対象者の平均年齢は77歳であった。その結果、地域在住日本人高齢者のレミニッセンス活動の特徴として相互的レミニッセンス(interpersonal reminiscence)と内的レミニッセンス(intrapersonal reminiscence)は、同様に、しかし低い頻度で行なわれている、さらに、ほとんどの高齢者(84%)が、過去の「思い出」は大切なものであると感じている、という実態が明らかになった。また、「健康状態」と「日常生活における宗教の重要さ」がレミニッセンス活動に有意に関連していた。本研究の結果から、「健康状態」と「日常生活における宗教の重要さ」は、レミニッセンス活動の頻度を表す指標となり得ることが示唆されると共に、高齢者の文化的背景を考慮したレミニッセンス活動の看護介入が必要であることが示唆された。 2.レミニッセンス療法の検討 日本人高齢者のレミニッセンス活動の実態および国内外文献に基きHaight(1989)のthe Life Review and Experiencing Formの改訂を行なった。看護介入としての実行可能性を高めるためレミニッセンス療法を6回から4回とした。改訂したインタビューガイドを用いて一人暮らし高齢者2名にパイロットスタデイを実施した。その結果、各質問項目については高齢者に理解可能であり答えやすいことが検証された。また、評価指標としては、人生満足度尺度(Life Satisfaction Index)が、有用であることが示唆された。 3.研究成果の発表 上記の実態調査の結果は、2003年11月にアメリカSan Diego市で開催された第56回Gerontological Society of America(全米老年学会学術集会)で発表した。
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