2003 Fiscal Year Annual Research Report
極低出生体重児を出生した母子への育児支援-母乳育児継続に向けてのサポート体制作り
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14572306
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
平澤 美恵子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40211510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 真弓 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (00318875)
橋本 佳美 杏林大学, 保健学部・看護学科, 講師 (60286424)
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Keywords | 母乳育児のガイドライン / 専門助産師の訪問指導 / 低体重児の発育指標の必要性 / 低体重児退院後の母親の不安 / 適時の訪問支援の必要性 |
Research Abstract |
本年度は、N医療センターにおける極低出生体重児の母乳育児支援と、訪問を希望する対象者に専門助産師による訪問を行って、対象者の育児の実態と、母乳育児の有り様に関する内容を分析した。 入院中の母乳育児支援では、母乳育児に関するガイドラインを作成し、対象者に母乳育児を進めた。ガイドラインの内容は、入院中、退院時、退院後に分けて作成した。入院中の主な内容は、母乳育児の薦め、母乳育児の重要性の理解、Donor milkの承諾、冷凍母乳の扱い、直接授乳開始の準備と判断、直接授乳の練習、乳房トラブル時の対応である。退院時には、個別性の支援、家庭の支援者・家族の母乳育児教育、退院後の母乳外来、地域の母乳育児支援、自主サークルの紹介等で、退院後は、家庭訪問、電話相談、母乳外来での関わりを示した。 家庭訪問は、希望者15人の対象に行った。入院中、退院後から訪問まで、訪問時の状況に分類して実態を分析した。 退院後の母親の不安では、(1)育児支援者の問題(地域との関係が希薄で育児の援助が得られない、上子の存在や双胎児には母親の疲労が強い)、(2)母乳育児に関して(乳首や乳房にトラブル者は母乳育児への影響が大きい、入院中直接授乳の不可能者でも適切な時期の訪問で、直接授乳が可能になった)、(3)低体重児発育の指標がないので、指導者もEBMがなく母親を混乱させている、(4)児の発育や養護に関して(低体重児は口腔が狭く母乳に吸着するのに時間がかかる、頻回授乳で母親が疲労している、児が自宅環境に適応する迄細やかな対処行動が必要である)、(5)障害を残して退院する母子には、ケアに長く関わったスタッフの支援が必要である。 訪問による継続ケアを行い、低体重児退院後の援助に関する示唆を多く得ることが出来た。16年度も継続して訪問を行い、その実態からリスクの高い母子の育児支援サポート体制作りを構築する予定である。
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