2003 Fiscal Year Annual Research Report
総合型地域スポーツクラブの成果と課題-特にクラブマネジメントとクラブライフについて-
Project/Area Number |
14580017
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 紀宏 筑波大学, 体育科学系, 講師 (50196531)
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Keywords | 総合型地域スポーツクラブ / クラブマネジメント / クラブライフ |
Research Abstract |
本年度は、総合型地域スポーツクラブに入会している会員の生活変容の実態から総合型地域スポーツクラブの有効性(成果)を明らかにすることを目的とした。そこで、4つのスポーツクラブの会員計1,774名を対象に質問紙調査を実施した。主要な結果は次の通りである。 1)運動・スポーツの実施頻度については、全てのクラブにおいて加入前より高まっており、週1回以上の実施率が70%に達していた。しかし、スポーツ参加の多様性(種目の多様性と事業の多様性)については顕著な効果は認められなかった。 2)会員の運営参加については、約50%をこえる会員がクラブ運営に携わっていない状況が明らかとなった。また、運営参加者と非参加者の間に受益者負担意識や自主運営意識に差異が認められた。特に、クラブへのアイデンティティやクラブの社会的評価については、いずれの項目においても運営参加群の方が高い得点を示した。このことから、いかに多くの会員の経営参加を促すか、またどのような参加形態をどのように取り込んでいけばよいかなど、会員参加のシステム開発が求められる。 3)地域生活に対する効果としては、地域活動への参加はほとんど変化が見られなかったのに対し、地域内の人的ネットワークを拡大するというインパクトは認められた。しかし、クラブ入会による知人・友人の増加数は数名程度に止まっており、その親密度も極めて低くなっていた。 4)クラブ入会による生活や意識の変容については、因子分析の結果、「スポーツの個人的効果」「地域へのアイデンティティ」「スポーツ活動の多様化」「世代間交流」「家庭生活」「スポーツ指導」の6つの因子が確認された。このことから、クラブへの入会はスポーツの個人的便益だけでなく地域コミュニティへの社会的効果も期待することができると考えられる。
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