2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580025
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
辻本 尚弥 久留米大学, 健康・スポーツ科学センター, 助教授 (70299519)
|
Keywords | 持久性トレーニング / 骨格筋 / 代謝特性 / 脱トレーニング / ラット |
Research Abstract |
本研究では、持久性走トレーニング、脱トレーニング、再トレーニングに対するラット下肢の内側腓腹筋の適応変化を近位・遠位の部位ごとに、組織化学的分析方法を用いて検討している。本研究で用いた手法は、従来行われている組織化学的な観察手法とは異なり、骨格筋の生理学的な働きと構造を考慮していることが特徴である。その手法とは、骨格筋に入り込む二本の神経枝に着目し、その片方の神経枝に電気刺激を行い、筋内基質を枯渇させ生理機能と構造を一致させる。さらに、骨格筋の内部構造を明らかにするために、筋長軸方向の異なる多部位の筋線維の形態的特性を調べている。研究の結果として、まず若齢に行った持久性走トレーニングにより内側腓腹筋は、酸化的酵素活性の向上など適応変化を示すが、その適応変化は近位部に比べて遠位部で顕著にみられることが示された。また、脱トレーニングに関しては、近位・遠位の両部位で筋線維の萎縮はみられなかったが、遠位部での酸化系酵素活性の著しい低下が観察された。さらに、再トレーニングを行った場合は、近位・遠位の両部位間で筋線維の肥大がみられるものの、酸化的酵素活性においては両部位での違いは観察されなかった。これらの一連の結果から、本研究ではラット下肢の内側腓腹筋の近位部と遠位部では活動刺激に対する適応変化は異なること、また先に行ったトレーニングは後に行われる運動に影響を及ぼさない可能性のあることが示唆された
|