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2004 Fiscal Year Annual Research Report

運動性筋損傷が誘導する機能回復の有効性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 14580026
Research InstitutionAICHI UNIVERSITY OF EDUCATION

Principal Investigator

春日 規克  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60152659)

Keywords骨格筋 / 軸索凍結 / 間接刺激張力 / 神筋経接合部 / 筋損傷 / 免疫組織染色 / 再結合 / シグナル伝達物質
Research Abstract

運動よる筋損傷は神経筋の解離を引き起こす可能性がある。また一方では,凍結モデルの実験からは,凍結と同時に筋を激しく収縮させたり損傷を加えた場合,回復期間の短期化が認められた。
本研究課題の最終年度は,この筋損傷の持つ回復の早期化について検討した。
実験方法はラット坐骨神経を冷却した鉄棒で凍結し,さらに筋に挫滅損傷を加え経過をみることとした。凍結後の回復の指標となる間接刺激張力発揮は,凍結と同時に筋損傷を与えた場合と凍結の前々日に損傷を与えた場合には早期化が起きていた。しかし,凍結脚の反対側脚の筋に損傷を与えた場合には早期化は認められなかった。また,筋損傷を与えた場合には7日後に軸索発芽が運動終板上に重複していたが,凍結のみの群,対側損傷群では観察されなかった。凍結させた以降の神経軸索各箇所での活動電位の伝導の有無も調べた。凍結直後から凍結部をまたいだ中枢側と末梢側の伝導性は消失したが,中枢側,末梢側の伝導は認められた。末梢側は凍結1から5日まで完全に伝導性が認められなかった。活動電位の回復は,凍結部→末梢側→接合部の順で起きていたことが明らかとなった。筋内軸索の構造物質を現すNF160,シナプス小胞を認識するsynaptphysinは神経凍結後に一過性の減少し,また軸索の発芽や側枝の延長を誘発するGap43も一過性の低下が,凍結のみと凍結+筋損傷では違いがなくみられた。しかし,凍結後の脊髄運動神経細胞の活性化stat3の変化を調べた結果,凍結群では軸索凍結3日目に神経細胞内のstat3はピークに達しその後下降した。これに対し,損傷を加えた場合では7日後に再び3日目と同程度の発現がみられた。
張力や活動電位の観察結果から,凍結により2日後には凍結部の末梢側の軸索も機能的に生存しなくなる。筋損傷を与えることによる回復早期化の原因が,筋内神経・シュワン細胞の損傷による産生物質の影響を受けることはなく,回復速度が早くなる時期は,接合部の再神経支配が起こり始めた段階からの期間であることが考えられた。神経軸索発芽や生存維持に影響を及ぼす運動神経細胞核内stat3発現量の7日後の再上昇を示したことから,一旦解離した神経筋接合部が,凍結部の回復により神経軸索発芽・神経筋の再結合・結合部位の拡大が起こる時期に,筋損傷により発現したサイトカイン系のシグナル伝達物質が早期化に関与していることが示唆された。

  • Research Products

    (6 results)

All 2004

All Journal Article (6 results)

  • [Journal Article] ラット腓腹筋外側部表層の筋線維形態に及ぼす自発走トレーニングの影響2004

    • Author(s)
      辻本尚弥, 鈴木英樹, 春日規克
    • Journal Title

      久留米大学比較文化研究 33

      Pages: 169-181

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 坐骨神経切除によるラット脛骨骨幹端の骨梁構造変化並びに骨格筋の萎縮2004

    • Author(s)
      田巻弘之, 我妻 玲, 竹倉宏明, 春日規克
    • Journal Title

      体力科学 53-4

      Pages: 403-410

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 一過性の除神経から再支配にかけての神経筋接合部の変化2004

    • Author(s)
      春日規克, 堀田典生, 平野朋枝, 竹倉宏明
    • Journal Title

      愛知教育大学研究報告 54

      Pages: 27-33

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 筋損傷と神経軸索凍結後の神経筋接合部の回復2004

    • Author(s)
      春日規克, 堀田典生, 平野朋枝, 竹倉宏明
    • Journal Title

      体力科学 53-6

      Pages: 675

  • [Journal Article] 異なるタイプの骨格筋線維における神経筋接合部の加齢変化の形態的特徴2004

    • Author(s)
      西沢富江, 山下晋, McGrath K, 田巻弘之, 春日規克, 竹倉宏明
    • Journal Title

      体力科学 53-6

      Pages: 690

  • [Journal Article] 骨格筋型ryanodine受容体ノックアウトマウスの骨格筋細胞におけるCa^<2+> Release Units(CRUs)の形態特徴2004

    • Author(s)
      竹倉宏明, 西沢富江, 山下晋, McGrath K, 田巻弘之, 春日規克
    • Journal Title

      体力科学 53-6

      Pages: 690

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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