2002 Fiscal Year Annual Research Report
運動技能習得における動きの変容と心の変容が相互に及ぼす影響
Project/Area Number |
14580027
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
筒井 清次郎 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (00175465)
|
Keywords | 運動技能 / 心の変容 / 動きの変容 / オリジナルルール / 軌跡図 |
Research Abstract |
研究の目的は、バスケットボールの授業を通して、チームプレーや協力することの大切さを知り、友達同士で喜びを共感できるような児童を育成することである。具体的な方策として、1)ゲーム中心の単元を構想し、学習を振り返る場を多く設けることによって、技能の高い子が活躍できない子の思いに気づき、チームプレーを心がけたり協力できることと、2)みんなが活躍できるようなオリジナルルールを考えることによって、思いやりの心が育つことを目的とした。 検証の方法としては、一連の学習を通して、同じチームとなった、運動が得意なA男と運動に意欲的でないB子という対照的な二人の、チーム内での活動や思いの変化を追究していった。 研究の成果については、ここでは、A男とB子のデータ変容についてのみ記述する。1)B子のリーグ戦初日と最終日の軌跡図をみると、初めはコート中央付近しか動いていなかったB子が、オリジナルルールやA男たちチームメイトの協力で、最終戦ではコート全体を使ってゲームを行っていることが分かる。2)A男については、シュート数は減ったものの得点数に差は見られないこと、ファールやバイオレーションの数が減ったことから、無理なシュートや強引なプレーがなくなったことが伺える。また、ドリブルの数が減り、パスの数が増えていることから、後半ではチームプレーを意識してパスを使ったゲームを行えていたことが分かる。一方、B子については、得点、シュート、パス、ドリブルすべてにおいて、歴然と増加しており、意欲的にバスケットボールの学習に取り組めるようになったことが伺える。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 田中智子, 筒井清次郎: "ボール投げ課題における要約フィードバックと結果についての自己評価の効果"体育学研究. 48・1. 37-44 (2003)
-
[Publications] 渡辺健二, 筒井清次郎: "こころ豊かに生き生きと学び合う子を育成する体育学習"愛知教育大学保健体育講座研究紀要. 27. 11-20 (2003)
-
[Publications] Seijiro Tsutsui, Kuniyasu Imanaka: "Effect of manual guidance on acquiring a new bimanual coordination pattern"Research Quarterly for Exercise and Sport. 74・1. 104-109 (2003)