2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動技能習得における動きの変容と心の変容が相互に及ぼす影響
Project/Area Number |
14580027
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
筒井 清次郎 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00175465)
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Keywords | 幼児 / 運動発達 / 文脈干渉効果 / ランダム練習 |
Research Abstract |
幼児の転がってくるボールの捕球の仕方は、1.行き過ぎたボールを追いかけるフィードバックタイプ、2.近づくボールに身体移動のタイミングを一致させながらのフィードフォワードタイプ、3.事前に到着位置を先取りし待ち受けるより洗練されたフィードフォワードタイプに分類され(Kenough & Sugden,1985)、3歳以降にタイプ1からタイプ2に発達することが明らかにされている(森ら、1993)。しかし、このタイプ移行を促進するためのトレーニング方法についてはほとんど研究されていない。そこで、タイプ移行を促進するための効果的な練習スケジュールを検討することを目的とした。課題は、転がってくる二種類の速度のボールを横から走って捕球することであった。被験児は52名の5歳児で、1.速いボール10球後遅いボール10球を捕球する(速・遅)群、2.遅いボール10球後速いボール10球を捕球する(遅・速)群、3.2種類の速度のボールをランダムに10球ずつ捕球する(ランダム)群の3群に無作為に分けられた。翌日に、2種類の速度からなる保持テストが行われた。遅いボールのテストにおいて、(速・遅)群では、タイプ1、2の幼児の50%のみがタイプ3に移行し、(遅・速)群では、タイプ1、2の幼児の80%がタイプ3に移行し、(ランダム)群では、タイプ1、2の幼児の90%がタイプ3に移行した。また、速いボールのテストにおいて、(速・遅)群では、タイプ1の幼児の33%のみがタイプ3に移行したが、(遅・速)群では、タイプ1、2の幼児の65%がタイプ3に移行し、(ランダム)群では、タイプ1、2の幼児の75%がタイプ3に移行した。このことから、幼児に対して用いられるランダム練習スケジュールが、視覚情報に基づく協応動作(Edwards et al.,1986)のみならず、視覚情報に基づく身体移動操作においても有効であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)