2002 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ応援文化の研究 -プロ野球の私設応援団と後援会を対象にして-
Project/Area Number |
14580033
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
高橋 豪仁 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (40206834)
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Keywords | スポーツ / 応援 / 私設応援団 / 後援会 / プロ野球 |
Research Abstract |
1.近畿カープ後援会会員に対するアンケート調査:会員601名に対して、郵送調査法を用いて質問紙調査を実施した。回収期間は2002年11月1日〜12月10日とし、回収した有効な調査票は151票、有効回収率は25.1%だった。23年前に発足した組織であるが、入会5年未満が約半数であること、入会のきっかけは球場での応援が最も多く、6割以上が通常外野自由席に座ること、広島県出身者が4割で、広島県に地縁・血縁関係のある人は6割いること、平均年齢が46.1歳、男女の比率はおよそ8対2であり、職業は約半数が会社員であること、等が調査結果として示され、この組織の全体像が明らかになった。これらの結果は、次年度からの会の幹部メンバーに対する聞き取り調査のための基礎的資料となる。 2.私設応援団の参与観察:全国広島東洋カープ私設応援団連盟に所属する私設応援団「神戸中央会」の参与観察を実施した。甲子園球場、大阪ドーム、福井県営球場、長崎県営球場、佐賀県立球場、札幌ドームでの応援行動の参与観察、および11月10日に開催された第6回全国私設応援団連盟総会の調査から、応援団間における力関係を読みとることができ、応援団やそのメンバーのプレステージは、球場における示威的コミットメントの程度と球団・選手との距離の近さに由来することが分かった。 本年度の研究結果の1部は、2002年7月11日に、the XV World Congress of Sociology(ブリスベーン)において、"The Rhythm Pattern of Collective Cheering at Professional Baseball Games in Japan"として口頭発表を行い、また、2003年3月23日に日本スポーツ社会学会(岡山大学)において、「プロ私設応援団のフィールドワーク(2)」として報告する。
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