2003 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ中世後期の「トーナメント」に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14580037
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
楠戸 一彦 広島大学, 総合科学部, 教授 (00108268)
|
Keywords | 中世スポーツ史 / 史料学 / トーナメント / 文献解題 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究の目的は、ドイツ中世後期(14世紀から16世紀)における「トーナメント」(馬上槍試合)の歴史を、スポーツ史の立場から解明するための基礎的研究として、先行研究及び史料(資料)を収集し、これらに関する文献目録を作成すると同時に、史料に関する文献解題を行うことである。平成15年度は3年間の研究期間の二年目であり、前年度と同様に海外での史料調査と先行研究の収集が主な実施計画であった。 海外での史料調査に関しては、平成15年11月末の10日間、オーストリアのウイーン大学図書館、ウイーン大学スポーツ研究所図書館、及びオーストリア国立図書館において、ドイツ中世後期の「トーナメント」に関する史料の確認と文献複写を行った。特に、16世紀前半の著作であるM.ヴルジング及びG.リュクスナーの「トーナメント書」に焦点を当てて、現著を確認すると同時に、内容の確認を行った。帰国後、ヴルジングのトーナメント書を始めとする必要な史料のコピーを入手し、一部の史料に関しては、テキストの分析と内容の解釈を始めた。 先行研究に関する和欧文の図書に関しては、前年度に引き続いてドイツ中世における社会制度、政治制度、戦争などに関する文献を入手し、内容の分析と解釈を開始した。特に、トーナメント(馬上槍試合)と社会制度(身分)に関する文献に焦点を当てて、ウイーン国立図書館において関連文献の確認と複写を行い、収集した文献に基づいて貴族及び市民にとってのトーナメントの意義の分析を始めた。
|