2003 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動トレーニングによる骨格筋のDNA転写活性化が糖代謝能に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
14580046
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
田畑 泉 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 部長 (20188402)
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Keywords | PGC-1α / 水泳運動 / 走運動 / AMPK / AICAR / カルシウム / epitrochlearis / ヒラメ筋 |
Research Abstract |
身体運動によりPGC-1αの蛋白濃度が増加する機序を明らかにするために本実験を行った。まず、5〜6週齢のSD系のラットをトレッドミルで6時間,低強度(分速13m)の走行運動させたところ、運動後のグリコーゲン濃度が有意に低下した後肢筋(ヒラメ筋,足底筋)ではPGC-1α濃度が増加したが、グリコーゲン濃度が変化しなかった前肢筋(epitrochlearisと三頭筋)ではPGC-1α濃度に変化は見られなかった。一方、6時間の低強度(無負荷)水泳後では逆に、グリコーゲン濃度が低下した前肢筋(epitrochlearisと三頭筋)では、PGC-1α濃度が増加したが、グリコーゲン濃度に変化が見られなかった後肢のヒラメ筋や足底筋では、PGC-1α蛋白質濃度に変化が見られなかった。これらの結果より、身体運動により動員された筋にのみPGC-1αの発現が見られることが明らかになった。 次に身体運動により骨格筋のPGC-1α濃度が増加する生化学的機序を明らかにするための実験・研究を行った。摘出したepitrochlearisを試験管内でAICAR(AMPKの活性化剤)及びカフェイン(筋小胞体からのカルシウム放出を引き起こす)で18時間インキュベーションするとepitrochlearisのPGC-1α濃度が有意に増加した。一方、ヒラメ筋のPGC-1α濃度はAICARでのインキュベーションでは増加しなかったが、カフェインでは増加した。この結果は、身体運動による骨格筋のPGC-1α増加には、エネルギー準位の低下によるAMPKの活性化とカルシウム濃度の増加という少なくとも2つの機序があり、その関与は筋線維組成によることが示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Terada S, I Muraoka, I Tabata: "Changes in [Ca^<2+>]i, induced by several glucose transport-enhancing stimuli in rat epitrochlearis muscle"Journal of Applied Physiology. 94. 1813-1820 (2003)
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[Publications] Terada S, I Tabata: "Effects of acute bouts of running and swimming exercise on PGC-1 α protein expression in rat epitrochlearis and soleus muscle"American Journal of Physiology (Endocrinology and Metabolism. 286. E208-E216 (2004)
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[Publications] 田畑 泉: "トレーニングと糖・エネルギー代謝:トレーニングによる骨格筋のタンパク質発現を包括的に制御する可能性のあるPGC-1"体育の科学. 53. 576-581 (2003)