2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580068
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
平川 澄子 鶴見大学, 文学部, 助教授 (40199047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲澤 真 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (10188930)
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Keywords | 女性スポーツ / 女子サッカー / 女子ワールドカップ |
Research Abstract |
今年度は、第4回FIFA女子ワールドカップサッカーの参与観察調査を通して、女性スポーツのプロモーションやマネジメントの課題を検討した。今大会は当初、中国での開催が予定されていたが、中国での新型肺炎(SARS)流行の影響で大会4ヶ月前に急遽、開催地がアメリカに変更された。1999年、アメリカで開催された第3回大会は、サッカー少女やその家族をターゲットに女性スポーツ支援を織り込んだ戦略的なプロモーションが展開され、のべ65万人を超える観客動員を記録し、女性スポーツとしては歴史的なイベントとなった。その後、高まった女子サッカー熱が原動力となって、2001年には世界初の女子のプロサッカーリーグ(WUSA)が開幕している。しかし、今大会は準備期間が短く、戦略的なプロモーションがなされず、観客動員数は358,720人にとどまった。また、今大会直前には資金不足によるWUSAの休止が発表され、女性スポーツのプロモーションとスポンサー獲得の困難さが示唆された。 一方で日本国内の女子サッカーは2002年の男子ワールドカップサッカー開催の余波を受けて、これまでになくメディアが女子サッカーを扱った。1999年大会時は試合結果のみの新聞報道だけであったが、今回はメディアの威力で本戦出場をかけたメキシコとのプレーオフに国立競技場に13,000人のサポーターが集結した。また大会期間中は、各局のスポーツニュースが大会の模様を伝え、日本代表チームの試合だけでなく、準決勝戦と決勝戦がテレビ放映された。しかしながら、日本国内の女子サッカーのトップであるLリーグはそれらの追い風をうけながらも未だ観客動員では低迷している。 これらの現状から、我が国の女性トップスポーツリーグの支援策として、(1)競技愛好者に焦点化したファンの拡大、(2)イベントの開催、(3)メディア対策、などの重要性が明らかになった。
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