2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の体力・健康水準別身体活動量の目標設定に関する研究
Project/Area Number |
14580074
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木村 みさか 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90150573)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淵本 隆文 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (90133537)
岡山 寧子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50150850)
|
Keywords | 高齢者 / 身体活動量 / 体力 / 健康水準 / 歩数 / 生活活動強度指数 |
Research Abstract |
高齢者が意のままに動ける体力を保持し、最後まで自立しているためには、個人の体力や健康水準、あるいは生活環境に応じた適度な身体運動が必須で、高齢者の誰もが場所や時間を選ばず、体調に合わせて無理なくできる「歩行運動」や「体操」が注目される。しかし、「どのくらい歩けば良いか?」、あるいは「体操の効果は?」などについては、身体レベルの異なる広範囲な高齢者について詳細に検討されている研究は殆ど見あたらない。そのため、本研究では、高齢者が確保したい活動量の目安を、歩数として体力・健康水準別に検討することを目的として、生活環境や健康レベルの異なる広範な高齢者を対象に、従来からの体力測定((1)一般体力:バッテリーテストおよびSSTw、(2)バランス能:重心動揺とファンクショナルリーチテスト、(3)歩行テスト:10mの距離をできるだけ速く歩かせ、速度、歩幅、歩調を測定)に加え、身体活動量(加速度装置付き歩数計による)と栄養摂取状況の調査を行う計画を立てた。昨年までに、京都市、神戸市ポートアイランド地区、宮城県一迫町に住む在宅高齢者を中心に約300名の調査が終了した。今年度は、運動習慣や体力・健康レベルの範囲を広げた約200のデータを補完した。これらから得られた主な結果は、(1)高齢者の身体活動量は総消費熱量、運動消費熱量、歩数とも年齢に伴い減少し、女性の場合は10歳年齢が進む毎に約2000歩程度の歩数の減少が認められる。(2)降雪の少ない近畿地方の高齢者の活動量には夏冬の季節差は認められないが、冬、雪に閉ざされる東北地方在住の高齢者の冬期歩数は、夏期の6割から7割にまで減少し、BMIが増える。(3)日常生活活動強度指数(1日総消費熱量/基礎代謝量)と歩数との間には高い相関関係が認められ、(4)この関係を用いて高齢者が確保したい活動量の目安を、歩数として体力・健康水準別に求めることは可能である。また、(4)4ヶ月の健康教室の試みでは、個人の歩数記録をもとに約1〜2割増しの歩数を目標値にすると、高齢者では無理なく活動量を増やすことができることが明らかになった。などである。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 木村みさか: "転倒骨折を惹起する高齢者の体力"Medical Rehabilitation. 第31巻. 15-24 (2003)
-
[Publications] 木村みさか, 糸井亜弥, 吉識伸: "スポーツ活動実施高齢者の活動量と栄養摂取(ソフトバレー継続者における調査結果)"京都府立医科大学看護学科紀要. 第13巻2号. 41-46 (2004)
-
[Publications] 木村みさか: "高齢者の易転倒性と体力"京都府立医科大学雑誌. 第113巻3号. 147-157 (2004)
-
[Publications] 奥野直, 木村みさか 他: "膝腰にリスクを持つ高齢者の運動習慣獲得への支援プログラム作成のための研究"大阪ガスグループ福祉財団調査研究報告書. 第18巻(印刷中). (2004)
-
[Publications] 岡山寧子, 木村みさか 他: "東北農村部における高齢者の身体活動および食事摂取の季節変動(健康づくり事業に参加する高齢者の場合)"日本生気象学会雑誌. 第41巻(印刷中). (2004)
-
[Publications] 木村みさか: "「転倒」を科学する"Net LULLY 2003. 1-4 (2003)