2003 Fiscal Year Annual Research Report
廃羊毛の機能性付与による再資源化(酸化とサクシニル化による高吸水・吸湿性の付与)
Project/Area Number |
14580126
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Research Institution | SHowa Women's University |
Principal Investigator |
小原 奈津子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (90178301)
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Keywords | 羊毛 / 機能化 / 吸水性 / 吸湿性 / サクシニル化 / 酸化 / 還元 / 脱スケール |
Research Abstract |
本研究の最終目的は,廃羊毛繊維を化学修飾により機能性材料として再資源化することである。これまでの研究で,羊毛繊維をサクシニル化すると,その吸水性と吸湿性が著しく向上することが明らかとなっている。今回の研究では,羊毛の反応性を高めるために複数種の簡単な前処理を行った後,それぞれの処理羊毛をサクシニル化し,吸水性および吸湿性を向上させるための最適処理法を検討した。 本研究で行った一連の化学処理によってカルボキシル基の増強など化学構造上の変化が起こるが,この時必然的に結晶構造などの高次構造の変化も伴う。そこで前半の研究では,サクシニル化によるカルボキシル基の増加と結晶化度の変化のそれぞれが,吸水性,吸湿性および繊維中の不凍水量にどのように影響を及ぼしているかを明らかにした。後半の研究では,先の研究で報告した前処理法のひとつであるジスルフィド基の還元の他に,過ギ酸を用いたジスルフィド基の酸化およびギ酸と超音波による脱スケール処理をそれぞれ前処理として行った後サクシニル化し,それらの処理の吸水性および吸湿性への効果を比較した。この結果,吸水性は無水コハク酸の付加率に概ね比例して向上するが,処理によって起こる繊維形態の変化にも強く影響されることが明らかとなった。他方,吸湿性は前処理の如何に関らず,サクシニル化によるカルボキシル基の増加よって向上した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小原 奈津子: "化学処理による廃羊毛の機能性材料としての再資源化-ギ酸処理およびサクシニル化による羊毛の吸水性と吸湿性への影響"学苑・昭和女子大学人間社会学部紀要. 761号. 116-122 (2004)
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[Publications] 小原 奈津子: "廃棄繊維製品の再使用への提案:羊毛の化学修飾による高吸水性および吸湿性の付与"日越外交樹立30周年記念事業国際シンポジウムI「日本文化とベトナム文化」「日本とベトナムのテキスタイルにおける伝統技術と最新技術」予稿集. 8-13 (2003)
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[Publications] 小原 奈津子: "Functionalization of Wool Fibers by Chemical Modification : the Effect of Some Pretreatments and Succinylation on Water Absorbability and Hygroscopicity of Wool."Proceeding Book of The Textile Institute 83rd Word Conference. (印刷中).
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[Publications] 小原 奈津子: "Influence of Succinylation on the Interaction between Wool Fibers and Water"Textile Research Journal. 2004(印刷中).