2002 Fiscal Year Annual Research Report
共存低分子による水溶液構造変化とペクチン溶液物性の相関関係
Project/Area Number |
14580144
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 之紀 高知女子大学, 生活科学部, 助教授 (50226015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 長人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80012053)
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Keywords | ペクチン / 粘度 / 水溶液構造 / スクロース / 非ニュートン流体 / シトラス / ずり速度 / 回転粘度 |
Research Abstract |
本年度は、水溶液構造を追跡する手段として回転粘度計や細管式粘度計で測定したそれぞれの粘度の違いや振動式粘度計を用いた迅速な粘度測定の可能性について検討することに主眼をおいた。 1)ペクチン濃度と水溶液構造パラメータとしての見かけの粘度 回転粘度計でペクチン溶液の粘度をずり速度ごとに測定した。ずり速度に関わらず一定の粘度を示した場合の粘度を見かけの粘度としたところ、ペクチン濃度2%ではずり速度3.96(s^<-1>)以上の速い回転の場合に一定の粘度を示した。さらに、ペクチンにスクロースを添加した系で回転粘度計と細管式粘度計の粘度測定(100mPa・s以下の範囲)の結果を比較したところ、両者は直線関係にあり、相関係数は0.995を示した。測定機器による粘度のバラツキを検討したところ、2種類の機器ともに粘度の平均値に関係なく1mPa・s以下のバラツキ(標準偏差)しかなかった。 2)振動式粘度計でのマクロな粘度から算出した水溶液構造パラメータの有効性 音叉型の共振振動を利用した振動式粘度計で、ペクチン溶液の迅速な粘度測定の可能性を探ろうとした。そこで、回転粘度計の粘度をリファレンスとして、振動式粘度計と回転粘度計のそれぞれの粘度の比較を行った。その結果、濃度が異なるアップル由来ペクチン水溶液の粘度をそれぞれの粘度計で測定して両者の関係をプロットしたところ、ペクチン濃度0.4%(5mPa・s以下の粘度)の試料溶液のみの結果であるものの、相関係数0.998の直線関係にあることが判明した。さらに、シトラスフルーツ由来のペクチン水溶液を用いた場合の両粘度計の粘度の関係をプロットしたところ、アップルペクチン水溶液の粘度分布で得られた直線上にきわめてよく一致した分布をしていた。
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