2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580153
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Research Institution | Hiroshima Jogakuin University |
Principal Investigator |
奥田 弘枝 広島女学院大学, 生活科学部, 教授 (50142625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 禎人 九州栄養福祉大学, 食物栄養学部, 教授 (20369086)
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Keywords | 海藻多糖類 / アルギン酸 / イオン交換 / アルミニウムイオン / 硝酸アルミニウム / 乳酸アルミニウム / 交換能 |
Research Abstract |
海藻多糖類は大量の水を保持し、また、食物繊維の有するイオン交換作用による重金属イオン等の体内汚染を防ぐ効果が期待されている。一方、アルミニウムイオンはアルツハイマー病や透析痴呆との関連性が疑われていることから、アルミニウムをイオン交換によって海藻多糖類と結合させ、体外に排除することによってこれらの毒性を防ぐことができるのではないかと考えられる。本研究では、市販海藻製品中の多糖類であるアルギン酸の単離、および単離したアルギン酸のアルミニウムイオン交換能を検討し、機能性食品素材としての基礎的知見を得た。 まず、市販昆布粉末からアルギン酸を抽出し、昆布中の主存在形態であるアルギン酸カルシウムに転換した。このアルギン酸カルシウムを用いて、硝酸アルミニウムおよび乳酸アルミニウム溶液中における反応時間・温度・濃度・pHの違いによるアルミニウムイオン交換能をキレート滴定法で測定した。 硝酸アルミニウム、乳酸アルミニウムのいずれの溶液においても、反応後数分間で交換率は急増し、60分で平衡状態となり、硝酸アルミニウムではほぼ100%、乳酸アルミニウムでは約60%に達した。反応温度の影響は、硝酸アルミニウムでは10〜50℃で交換率はほぼ100%、70℃では見かけ上100%超となった。乳酸アルミニウムでは、交換率が60%(10℃)から80%(70℃)になった。濃度の影響は、高濃度になるにしたがって両溶液とも交換率が急増し、硝酸アルミニウムでは0.2Mで平衡(交換率:約100%)に達した。乳酸アルミニウムでは0.1Mで最大(交換率:50%超)を示した。pHによる影響は、両溶液ともpH3では交換率は見かけ上100%を超えたが、pHが高くなるに従って交換率は低下する傾向を示し、pH7では硝酸アルミニウムでは約60%に、乳酸アルミニウムでは約15%にまで低下した。
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