2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580154
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
青峰 正裕 中村学園大学, 栄養科学部・栄養科学科, 教授 (60091261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 孝子 中村学園大学, 栄養科学部・栄養科学科, 助手 (70271434)
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Keywords | 一酸化窒素 / 脳海馬 / 神経伝達物質 / 糖尿病 / 行動解析 / 運動量 / ラット / マウス |
Research Abstract |
研究の初年度に当たる14年度では、脳海馬での一酸化窒素(NO)レベルを上昇させるNO供与剤(sodium nitroprusside ; SNP)とL-アルギニン(L-Arg、そして逆に低下させるNO合成酵素(NOS)阻害剤(aminoguanidine ; AG)を使用して以下の実験を行った。これらの薬物の非存在下と存在下において、1型糖尿病モデルラット(ストレプトゾトシン投与により作成)を用いて、小動物行動解析装置による行動観察(実験1)、並びに2型糖尿病マウスを用いて回転かご式運動量測定器による運動量測定を行った(実験2)。さらに脳内マイクロダイアリシス実験を1型糖尿病モデルラットにおいて脳海馬のNOレベルを酸化窒素分析システムにより、神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン)はマイクロダイアリシス・モノアミン分析システムを用いて行った(実験3)。結果:(実験1):糖尿病ラットと非糖尿病ラットにSNPとAGを加中濃度として0.1mMと1mMになるように腹腔内へ投与後、24時間の運動量とその日内リズムを測定した。SNPは活動期(暗期)運動量を糖尿病ラットで増加する傾向を示した。一方、AGは非糖尿病ラットでは抑制、糖尿病ラットでは増加するという相反する作用を示した。(実験2):SNPとL-Argを糖尿病マウス(KK/Ta)と対照の非糖尿病マウス(C57/BL)に血中濃度として0.1mMと1mMになるように腹腔内へ投与後、2時間の自発運動量を測定した。SNPとL-Argは両群で濃度依存性に運動量を増加したが、糖尿病マウスでとくに顕著であった。(実験3):SNP(0.01mM,0,1mM,1mM)を透析液に混入した場合、濃度依存性に海馬においてNOを産生した。糖尿病ラットにおいてはとくに顕著で対照ラットの2〜3倍に達した。この結果はマウスでのSNPの作用を説明することが出来ると思われる。AGの場合はNO産生の抑制が期待されたが、予想とは逆に作用初期にNO産生の増大が観察された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Obata, T., Aomine, M., Inada, T., Kinemuchi, H.: "Nicotine suppresses 1-methyl-4-phenylpyridium ion-induced hydroxyl radical generation in rat striatum"Neuroscience Letters. 330・1. 122-125 (2002)
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[Publications] Yamato, T., Yamasaki, S., Misumi, Y., Kino, M., Obata, T., Aomine, M.: "Modulation of the stress response by coffee : in vivo microdialysis study of the hippocampal serotonin and dopamine"Neuroscience Letters. 332・1. 87-90 (2002)
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[Publications] Obata, T., Kinemuchi, H., Aomine, M: "Protective effect of diltiazem, a L-type calcium channel antagonist, on bisphenol A enhanced hydroxyl radical generation by 1-methyl-4-phenylpyridium ion (MPP^+) in rat striatum"Neuroscience Letters. 334・2. 211-213 (2002)
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[Publications] 青峰正裕, 大和孝子: "若年女性冷え症者における心電図と身体状況の特徴"心電図. 22・1. 10-15 (2002)
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[Publications] 大和孝子, 紀麻有子, 小畑俊男, 太田英明, 青峰正裕: "ラットにおける拘束ストレスに伴う神経伝達物質放出に対するコーヒーの抑制作用"日本栄養・食糧学会誌. 55・2. 85-91 (2002)
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[Publications] 大和孝子, 青峰正裕: "女子大学生における冷え症と身体状況および生活環境との関連"総合健診. 29・5. 878-884 (2002)
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[Publications] 大和孝子, 青峰正裕: "ラットにおける運動の日内リズムに及ぼすコーヒーの効果"New Food Industry. 44・12. 51-57 (2002)