2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580163
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Research Institution | Niigata Women's College |
Principal Investigator |
佐藤 恵美子 県立新潟女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (80141349)
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Keywords | ゴマ豆腐 / 焙煎条件 / 色差 / 表面構造 / 成分分析 / テクスチャー / 官能検査 |
Research Abstract |
9.研究実績の概要 本研究課題ではゴマを炒る時は「3粒はぜたら、火を止める」といわれている。あらい(白)ゴマ、皮むき白ゴマ2種について電気ガスオーブン(リンナイRCK-7N)により、160、170、180、190、200℃で天板上で10分間加熱して焙煎温度の増加に伴う着色の変化、及び、蛋白(ケルダール法)、脂質(ソックスレー法)、炭水化物(フェノール硫酸法)などの成分分析の検討を行い、ゴマ表面(測色色差計((株)日本電色工業、ZE-2000)を明度(L)、色差について測定した。また、ゴマの表面、及び縦断面はチルドSEM(日立、S-3500N)を用いて500倍、1000倍で観察した。2品種共に縦断面は、焙煎に伴って残存胚乳部と子葉細胞の間隙が大きくなった。焙煎ゴマ200℃では、子葉細胞にぎっしりとつまっている油滴が細胞から流出し、細胞膜が不明瞭になるのが観察された。 さらに、焙煎温度の異なる各種ゴマ材料を用いて調製したゴマ豆腐のテクスチャー測定(RE-3305,山電)を行った。2種のゴマ共にL値は焙煎に伴って低下し、皮むきゴマの方が焙煎に伴う変化が大きかった。脂質、蛋白質は洗いゴマよりも皮むきゴマに多く含まれ、2品種共に焙煎に伴って脂質の変化は少ないが、蛋白質は減少した。炭水化物は洗いゴマの方に多く含まれ、2品種共に焙煎に伴って増大した。あらいゴマの表面には亀甲状の表皮細胞に蓚酸カルシウムが沈着し、焙煎に伴って膨張し、200℃では細胞が一部損傷するのが観察された。2種のゴマ豆腐の硬さ、ガム性の値は170℃で最も小さく、凝集性の値は逆に170℃で最も大きく、付着性の値は焙煎温度の増大に伴って減少し、「あらいゴマ豆腐」が「皮むきゴマ豆腐」よりも高い値を示した。官能検査では両方共に170℃焙煎ゴマを用いた試料の硬さが最も低く、口ざわり及び総合的な好ましさの評価が最も高くなった。「あらいゴマ豆腐」では、総合的な好ましさと口ざわり及び弾力性の関係に正の高い相関(r=0.91)が得られた。
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