2004 Fiscal Year Annual Research Report
幼維園・保育所における自然に親しむ保育を中心にした環境教育の実践内容について
Project/Area Number |
14580204
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Research Institution | Seika Women's Junior College |
Principal Investigator |
田尻 由美子 精華女子短期大学, 幼児保育学科, 助教授 (50216967)
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Keywords | 自然 / 幼児 / 環境教育 / 保育所 / 幼稚園 / 育つ力 / 自然に親しむ保育 / 実証的研究 |
Research Abstract |
発達の視点や環境教育の視点でみると、幼児が自然とかかわることは大変大きい肯定的意味があるといえる。この「自然とかかわる保育」の意義を踏まえ、幼稚園や保育所に広く啓発するためには、その教育効果を実証的に示す必要がある。昨年度の研究において、そのひとつの方法として幼児に育つ力の評定基準を設定することを試みた。これを用いて幼児の活動を観察し、経年的検討をおこなって有効な基準を確定することを最終目標としている。「自然とかかわる保育」で育つ力を評価するには、他の保育活動で育つであろうと考えられる子どもの発達全般との比較検討が必要である。したがって、今回は先に設定した「育つ力の評定基準」に対して、各発達領域にかわる具体的な「幼児の活動や様子」の新項目を追加して、総数で10カテゴリー54項目の「汎用評定基準」を設定した。また、判断基準としては「よくあてはまる」から「全くあてはまらない」の6段階とし、評価者によるばらつきを抑えることを試みた。 この「汎用評定基準」を用いて、2004年3月の時点での3歳児クラス(187人)、4歳児クラス(215人)、5歳児クラス(208人)の幼児について、「育つ力」の評価をおこなった。その結果を年齢のよる差、保育所(301人)と幼稚園(309人)による差、男女(男321、女284人)による差について全体の傾向を分析し考察した。特に力を入れている保育によって育つ力の得点が違うのかどうかについては、今後の園数の確保と経年的なデータの蓄積が必要である。結果から年齢により上昇すること、また男女で項目によって違いがあること、5歳児では幼稚園より保育所がやや値が高いことなどがわかった。今後は保育活動による育ちの違い、集団保育の経験年数、家族構成などの要因との関連、さらにこれらを基に基準の有効性を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)