2002 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔講義における両教室間の情報共有のための講義状況推定に関する研究
Project/Area Number |
14580224
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅沼 明 九州大学, システム情報科学研究院, 助教授 (70235852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 大作 九州大学, システム情報科学研究院, 助手 (70304756)
谷口 倫一郎 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (20136550)
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Keywords | 画像処理応用 / 音処理応用 / 遠隔講義支援 / 講義自動撮影 / 講義の状態推定 / アクティブカメラ |
Research Abstract |
本年度は以下のような研究成果をあげた。 (1)ロバストな教師領域の推定法を検討した。 本研究では講義室の状況推定を行うため、教師は常に正確に抽出できていることが必要となる。本研究に先立って構築していた教師領域(教師の像に外接する矩形領域)の抽出法では、必ずしも正確に抽出できるとは限らなかった。1フレーム前の推定値を利用して現フレームから抽出する教師領域の補正を行う手法により、常に正確に抽出できる手法を構築した。しかしこの方法でも、「講義映像中にある移動物体は教師である」という仮定が崩れた場合には誤った領域を抽出してしまう。そこで、誤った領域を抽出した場合には、その後できるだけすばやく復旧する手法の検討を行った。 (2)チョーク音の検出によって、より正確に教師の板書動作を検出できるような手法を構築した。 講義室の状況推定を行うためには、教師の板書動作の検出が不可欠である。そのため、教師の板書動作の開始と終了を正確に判定する手法を構築した。板書を行う際にはチョーク音が発生するので、その音を検出することによって判定する。チョーク音の検出の頻度や時間間隔を基に教師が板書を行っている確率を定義した。黒板上で検出される最新の板書領域とこの確率とで、どこを撮影対象にすべきかを判断し、カメラを操作する手法を構築した。 (3)講義自動撮影システムのプロトタイプを実現し、実際の講義に適用して評価した。 これまでに構築した画像処理の手法と音声処理の手法を有機的に組み合わせて講義自動撮影システムのプロトタイプを作成した。プロトタイプはLinux上で動作する。このプロトタイプを評価するために、実際の大学の学部の講義に適用して、撮影実験を行った。さらに撮影した講義を学生が見ることでビデオ講義を受けてもらって、アンケート調査を行った。その結果、本手法が有効であることが確認できた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Suganuma, S.Nishigori: "Automatic Videoing a Normal Classroom for a Distant Lecture with a Recording Function of a Blackboard"Proc.of World Conference on E-Learning in Corporate, Government, Healthcare, and Higher Educational. 2226-2229 (2002)
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[Publications] A.Suganuma: "Development of an Automatic Camera Control System for Videoing a Normal Classroom to Realize a Distant Lecture"CD-ROM Proc.International Conference on Information Technology and Applications. (2002)
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[Publications] 芦川 平, 菅沼 明, 谷口 倫一郎: "チョーク音の認識による板書動作の開始と終了の判定"FIT2002情報技術レターズ. 1. 245-246 (2002)
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[Publications] 芦川 平, 菅沼 明, 谷口 倫一郎: "画像処理と音情報を用いた黒板講義における板書動作の判定"信学技報 教育工学(ET-2002-75). 102・509. 43-48 (2002)
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[Publications] 芦川 平, 菅沼 明, 谷口 倫一郎: "黒板講義におけるチョーク音検出を利用した講義撮影システムの構築と評価"火の国シンポジウム. (掲載予定). (2003)