2003 Fiscal Year Annual Research Report
学習分野や学習者の理解状況に応じた誘導機能を持つ個別学習システムの研究
Project/Area Number |
14580233
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田村 恭久 上智大学, 理工学部, 講師 (30255715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 早苗 上智大学, 外国語学部, 助教授
田中 幸子 上智大学, 外国語学部, 教授 (60236586)
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Keywords | 教材開発 / 学習分野 / ナビゲーション / 個別学習 / 学習者モデル |
Research Abstract |
15年度の本研究では、個別の学習者の理解状況を教員が把握するのではなく、学習者同士が会話や議論の中で相互の理解状況を把握し、フィードバックを行なう「協調学習」に注目した。協調学習は社会的構成主義に基づく学習理論だが、具体的な学習プロセスのなかでの学習者の理解状況把握やフィードバックの方法については不明な点も多く、学習支援システムによる協調学習支援機能の実装、特に上記学習理論の学習観を反映したシステムの先行研究はほとんど例がない。 本研究では、学習支援システム上で学習者グループがテキストチャットベースの議論や協調的間題解決を行う際、その議論を活発化させる機能を設計・実装した。具体的には、議論における個々の発言を、「学習者グループの共同認知を促進するもの」と「学習者グループの作業進展に寄与するもの」に分類し、この種類の貢献をX,Y2軸にとり、学習者グループの議論の進展を可視化するものである。我々はこれをDAP (Dual Aspect Progress)チャートと呼ぶ。このDAPチャートを、テキストチャットと併せて表示するWWWベースの協調学習支援環境iDAPを開発した。このiDAPは、ほかに議論の話題を表示し、その推移を視覚化することにより、話題の推移を容易に把握できる機能も備える。 実際の被験者グループを用い、iDAPの表示によって協調学習の変化を評価した。この結果、DAPチャートを表示させると、提案や意見が放置されることなく、学習者が議論に参加しやすくなることが判明した。また、話題の推移を視覚化することにより、学習者が話題のトレースを行ないやすくなり、また積極的に興味のある話題を提案していくことが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tamura, Otsuka, Mitsui: "Learning Process Reuse for Problem Solving Skill Acquisition"Proc.Joint Workshop of Cognition and Learning Through Media-Communication for Advanced e-Learning. 217-220 (2003)
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[Publications] 田村, 和田, 常盤, 茂木 他: "大学におけるリアルタイム遠隔学習の設計と実装"日本デイスタンスラーニング学会 会誌. Vol.4. 3-12 (2003)
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[Publications] Tamura, Sasaki, Kohno, Himeta, Okamoto: "Visualization Model of Group Activity in Collaborative Learning"Proc.Int'l Conf.Web-based Education (WBE 2004). (2004)
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[Publications] Tamura, Inoue, Miyadera et al.: "Metadata for Collaborative Learning"Proc.Int'l Conf.Computers and Advanced Technology in Education (CATE 2003). (2003)
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[Publications] 田村, 河野, 佐々木, 姫田 他: "協調学習支援環境 iDAP"日本教育工学会 研究報告. (2004)
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[Publications] 佐々木, 河野, 田村, 姫田, 岡本: "協調学習におけるグループ活動の可視化モデル"教育システム情報学会 研究報告. 18,3. 35-40 (2003)